空想と現実の壁は小さくて低いときがある

アンダーザシルバーレイク(バルト9)→エンジェル、見えない恋人(武蔵野館)→かごの中の瞳(シャンテ)とみまして、かごの中の瞳は事故(か?)で盲目になった既婚女子が、角膜提供の手術を経て目がみえるようになると、盲目のときとはまったく違う(というか認識できずにいた)自分の趣味嗜好を全開にしていった挙げ句性欲も解放してしまって、結局浮気をしてしまい、盲目時代に築いた夫婦関係が崩れる話。目がみえるようになった女子が盲目時代に着ていた地味な服をぜんぶ捨てて、自分の好みに沿った派手めな服をまとうようになり、髪も金髪に染めたり、夜の生活も妙に積極的になったりして、盲目時代とは真逆のありさまになってイキイキしていくことに不安をおぼえた夫が、医者から処方された点眼薬に手を加えて・・ていうことなのかな。そこらへんハッキリとは描かれないんですけど、目がみえるようになった女子が点眼薬(抗生物質だっけ)をこまめにさしてくにつれてまた目がみえづらくなってしまう(軽度の拒絶反応が起きる)ので、また盲目時代の何事も起こらない平穏な生活を望んだ夫がなんか細工をしたのかと思わずにいれん。目がみえるようになった女子が浮気してしまう相手というのが犬の散歩中にいつも会う男子で、女子のほうの犬が熱中症かなんかでへばったのでウチで休む?という話になり、そのまま・・みたいなありがちな展開なんですけど、なんか中出ししたらしくて妊娠してしまうんですね。その前に女子をどうにかつなぎとめておきたい夫が子づくりしようと病院で診察してもらうんですが、なんか夫の精子が異常に少ないことから妊娠の可能性が低い・・というか無いことが判明してしまって、そのあとに女子から妊娠報告をされるので、浮気による妊娠てことがバレてしまうんですね。妻であるこの女子が性に奔放になってくきっかけになったのが、里帰りしたスペインでの夜のおとなの歓楽街での出来事なんですけど、姉夫婦といっしょに興味本位でのぞき部屋にいってみたり(ここに入ることを夫は拒否した)、宿泊してるガラス張りのホテルで別室にいるカッポーが堂々とセックスしているのを目撃したりしたことなんですが、夫のほうはそういうのについていけない真面目さんなもんで、性関連にはちょっとウンザリしてるかんじだった。奥さんである女子が盲目だったころのふるまいこそが本性なのだと思い込んでいた夫が、盲目によって本来の性根が封じ込まれていただけだったことに気づいてたじろいでしまうという。本日題はこの映画のエンドクレジット中に流れてた歌の歌詞からのモノ。

エンジェル、見えない恋人は透明人間として生まれた男子が、盲目の少女に存在を感づかれてからお互いに惹かれ合う純愛話。少女は透明男子がみたくて目の手術して盲目でなくなるんですが、透明なので当然見えないわけです。そんで透明男子を認識するために目を閉じて存在を感じ取る。最後のほうで透明男子が化粧されてちょっとみえやすくなるんですが、そんなら最初から洋服とかマスクとかじゃんじゃん着せろよと思う。なにしろ「かごの中の瞳」とは逆で、目を閉じることで相手を認識してお互い愛し合うという物語。

アンダーザシルバーレイクは気になる女子に出会ってから謎が謎を呼んでぐるぐるなる話。その謎つーのが80〜90年代の歌だのゲームだの(それと昔の映画がたくさん、とパンフに出ていた)が絡み合ってて、逆再生して込められたメッセージを解読したり、ゲーム誌の付録の地図で示された場所にいって所定のことをやるとホームレスがやってきて謎の場所に案内されたりといろいろチャレンジするものの女子には出会えない。その探す途上でいろんな女子が絡んでくるあたり、MXでやってた終物語つーアニメにちょっと似てるかんじ。この世で流行った音楽のほとんどをワシがつくったんじゃ〜!といいながら銃ぶっ放してくるピアノ弾く爺さんの破壊されっぷりが凄かった。