性がうしろめたいのは人間様の特権です

『(中略)遊び感覚、アッケラカンそしてスポーティーなSM――そんなSM感覚にも私は反発を感じないわけにはいかなかった。アッケラカンそして遊び感覚のSM――その底から立ち昇るそこはかとないニヒリズムの臭いが私を嫌悪させたからだ。
 ニヒリスティックなSM小説は、これまで私も何度か試みてはいる。だがその都度失敗した。遂に私は廃墟に食を求めてさまよう女たちを襲うことなどできないタイプの人間だと悟った。私のSMはいわば女性美の讃仰に尽きる。そしてそんな人間はニヒリズムとは無縁だ。
 それに私は女を責めるのにとてもアッケラカンとしていられない。薄暗い罪の意識が必ずつきまとう。これは場末の薄暗い本屋の片隅から人目を忍ぶようにして「奇譚クラブ」を買い求めた時代から、厳しい検閲の眼をかいくぐるべく表現に苦心を重ねた経験をへて、 習い性となったのかもしれないが、とにかくタブーめいたものをみずから科さなくては私のSMは発動しないのだ。そこにスポーティーな感覚が入り込む余地はない。』(「一期一会」の人より抜粋)

『SM小説は女性差別に決まっている。女性差別だからおもしろいんだよ。
 そんなものを読むのは、趣味がいいとはいえないし、いささかうしろめたくもある。でも、うしろめたいからいっそう気持ちいいんだ、というのが古典的なSMの仕組みであった。
 この仕組みを革新したのが、蘭光生の「スポーティなSM」だ。
 千草忠夫は古典的な人であり、SMとは「してはいけないことをする(だからこそ気持ちいい)」ものととらえていた。一方、蘭光生のSMは単に「したいことをする」だけであり、うしろめたさのかけらもない。その結果、千草の作品は暗く、蘭の作品は一点の曇りもなく明るい。
 わたしはこういう蘭光生の変なところが大好きだったんだが、いまやわかりにくくなっているだろう。
 なぜなら、いまでは蘭光生のスポーティなSMが主流だからである。
「実際にレイプしたいなんて考えたこともないですよ。ぼくらは凌辱ゲームをフィクションとして楽しんでいるだけです。だいたい、ゲームに出てくるのは2次元のキャラなんですから、たとえ演技にしても被害をこうむる生身の女性はいないわけでしょう? いったいなにが悪いんですか? とやかく文句をつけるのは表現の自由への侵害です!」
 と公然と主張する人たちに、うしろめたさはない。「だからいっそうムカツクんだ」と言われても、理解できないんだろうな。』

上記『』内は最初のほうのが千草さんページ(殊能さん経由)ので、あとのが殊能さん日記からです。さっき昼メシ時に「『物』を入手する際に発生する味わいや色気をインターネットがすべて奪い去っている件」について話してたんですけど、ある特定の物がほしくてたまらない状態というのは「手に入りづらい+目にすることすら困難」な状況で幻想を膨らませつづけることによって陥るものだと思うんですけど、インターネットがあると欲しいものの形がじっくり見れてしまう上、世界各国の店がそれに付けてる価格をズラーッと並べて比べることができてしまって、インターネット以前に抱いていた「物」に対するあらぬ憧れや執着といった情緒が失われてるんですよね。なんかインターネット売買ってバナナの叩き売りが昼も夜も関係なくはてしなく並んで売り続けてるみたいなもんで、即物的すぎてすごく下品とゆーか。そうやって全部見尽くして損のないように気をつけながら手に入れたもんて満足度も薄くないですかね。かといってインターネットを一切みない生活にはもはや戻れないしな。仮にインターネット禁止したら消費が増えるかな?店舗あるお店屋さんは確実に商売がしやすくなるだろうけど。置き所がなくて捨てるなんてこともなくなるのだろうなあ。むりだけど。殊能さんのスポーツSMの話にもどしますが、表現の自由をタテにでかいツラするエロゲ愛好者の色気ないがしろ感が背徳感原理主義SM好きにはちょっとゆるせない件は、そんなに背徳感が必要なら宗教的縛りのキツイ国に住めばいいじゃんとしか。ひとむかし前ならな、なんてふしだらな!!キィー!!みたいな批判をおとなしく聞く方向でもべつに根絶やしとかされずに居場所は一応あったっぽいですけど、今って人権で金儲けしてる連中がリアルに根絶やしとか一網打尽にしようとすんだもん。しかもポンニ人だけじゃなく白人さんとかまで命令してくる始末だし。おとなしくつまらん命令聞いてそいつらと同じ状況になるより、どの国も到達してないような創作物の自由っぷりを実践するほうがどう考えてもおもしろいに決まってるので「規制をおとなしく受け入れて背徳(=道徳観)復活させろゴルァ」という意見には同意できませんな。そんなのいままで死ぬほどやってきて結果わかってんだからもういーじゃん。そろそろどこの国もやったことない「なにつくっても流通超自由」体制でうまれてくるものを観察するほうがバカでいいよ。へんな作家いっぱいでるし。つーか背徳感原理主義の人はつまり「古き良き」時代をとりもどしたいということか。背徳感のために国家はおれたちを縛って下さい。ってシラネ。インターネットはちょっとなくなってもいいかなとは思う。画面でみるだけで満足して実際のモノへの執着がなくなりすぎそうだし。それを進めると店舗いらない・街いらない→経済の終わりで文明の終わりに近づくだろうなあ。すごくエコではありますが。そこまでいくには100年単位の時間がかかるだろうけど。

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/09(水) 17:00:29.81 ID:x0VbnGSW0
「ボリューム多いねぇ?」
「全然、切ってないの!?」
「前髪、自分で切った?」
「自分で染めたの?」
「今日、休み?」
「仕事してるの?」
「どこで仕事してるの?」
「兄弟いる?」
「高校どこだった?」
「彼女いる?」

お前はおまわりさんか

 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/09(水) 15:14:26.89 id:yA2TH4W70
美容師がマジレスすると
俺は終始無言で作業したいが、上からの指令で会話を振らなきゃならん
その時に天気、仕事の話などがテンプレになってるからな』

上記『』内はユングさん経由で美容師の無礼行動スレのです。美容師の「会話」って完全な社交辞令で単なる営業トークにも関わらず、初対面で個人的な質問ばっか尋問スタイルでぶつけてくるんで凄いヤなんだよな(そもそも小売業の客相手にはぜったい持ちだしちゃいけないような内容ばっかだし)。自称美容師さんの書込みで「上からの指令で会話を振らなきゃならん」てあるけど、正直その「上」の人は体育会系のクズにしか思えません。業務的付き合いしかする気がないくせに踏み荒らす系会話を基本ルールにするってどうなんだよ。その能天気な業務命令によってどんだけ不快な思いをしてる客がいることか。会話内容テンプレについて詰める気は美容師連中にはまったくないんだな。仕事と天気って。ウルセーんだよ。頭いじられるのって気持ちよくてプチ癒しでもあるんで、美容師の人は仕事に没頭してよけいなことはしないでほしい。本来的にきもちのいいとこのはずなのに、あの無神経な会話で80%くらいぶちこわしになってんですよね。頭いじらせるために金払ってるんであって、気色悪い営業トークに付き合うためじゃねーよ。美容師ついでにキモい客は奥の席へご案内する暗黙のルールのせときます。美容院て客が不快な思いをしつづけてるにも関わらず改善することのない職業ナンバー2だと思う。ナンバー1は歯医者。