2023年発行やおい同人誌ベスト20

1位 はだかの心臓 どうせ、おたがいさま

ジャンル:スラムダンク 作者:へらへら

学生時代の宮城と三井が両思いながら初セックスに至るまでの不器用なさまが微笑ましい前半と、渡米後にエロ慣れした宮城が三井の前立腺を刺激してコマぶち抜きで射精させるシーン、エッロ!!セックスの合間にたびたび言い合いになるシーンに入るのが笑えるし、自然で上手い。

 

2位 S

ジャンル:鬼滅の刃 作者:はいのこ

元縄師だった美術教師の宇随天元が、片思いしている同僚の煉獄杏寿郎に緊縛絵のモデルになるよう依頼したのをきっかけに煉獄が縄酔い体質であることが露見してエロ展開になってくのもエロいが、現役縄師である宇随弟に天元とはまたひと味違う縛りを味わわされて開発されてく煉獄がエッロ!!「気高き精神と淫らな肉体の共存」を体現する煉獄の乱れっぷりが見どころ。原作キャラをキャバ嬢にしたりして遊ぶのは同人誌にはよくあるんだが、はいのこさんは特にそれが深くて上手い。今後もいろんな世界に鬼滅キャラをはめ込んで遊んで欲しい。上手い作家さんの同人誌ほど読むと頭がCP固定されてしまいがちなんだが、はいのこさんの作品みて以来煉獄さん攻の本を見る気が失せてしまったよ。どうしてくれんだ。

 

3位 OPPOSITE EDGY COLORS VIVID ADDITIVE MIXTURE

ジャンル:ブルーロック 作者:ボンバー太郎

凪誠士郎と馬狼照英がお互いにいがみ合ってマウントの取り合いしてるうちになんとなくエロ展開になってくあたりが自然で上手い。容姿も性格も俺様系の馬狼が攻かと思いきや自ら上にのってちんぽを受け入れる展開新しいなーと感心した。おまけ漫画で馬狼がメイド化してるので基本的に受キャラなんだな。凪は可愛い顔しててぼんやりしてそうなのに、実はガサツでズケズケ物言いしてくる攻キャラっぷりが楽しい。

 

4位 イージー★マーダー★ショウタイム2

ジャンル:オリジナル 作者:速水くろ

殺し屋稼業3人の内のひとり、フランソワがなぜ筋者の男に執着するのかが残酷描写たっぷりに描かれる本作は激しいトラウマの癒し方などそう簡単には手に入らないんだよ、という現実を描いているようで恐ろしく面白い。それに付き合うジルは鬼畜でなければ務まらないことを体現していて、戦慄するエロさ。こういう同人誌あると嬉しくなる。 

 

5位 毒を喰らわば

ジャンル:呪術廻戦 作者:菖蒲

虎杖悠仁と両面宿儺が伏黒恵を犯す作品をずっと描き続けている菖蒲さんの描く昔話モノ。鬼神の生贄として差し出された伏黒を虎杖と宿儺が救い出したのちに、伏黒の身体についた呪いを祓うために精を注ぐ必要から伏黒を2人で犯す。奴隷として生きてきた伏黒は舌も足の健も切られていたが、宿儺が復活させて3Pに。犯されすぎた伏黒のちんぽからは「変な水しか出ない」し「腹もいっぱいでもう飲みきれない」状態になってるところがエッロ!!

 

6位 性悪上司が無能部下に性的に堕とされる本

ジャンル:オリジナル 作者:海苔巻がむひこ

他人を蔑み見下してのし上がって生きてきた白鷺が、鴛鴦という部下に脅され、酷く犯されるうちに鴛鴦なしではいられない体になっていく過程がエッロ!!ある揉め事で鴛鴦がそばからいなくなったのち、欲求不満になった白鷺が女とのセックスで発散しようとしたが勃たず、仕方なく自慰で済まそうとするも鴛鴦との強烈な性交が体と心に染み付いていて射精できず、おそるおそる尿道に異物挿入をしてメスイキしてしまう。その後は街で出くわした鴛鴦に浮気を問い詰められた流れで犯されるわけだが、元来あった人を押しのけて生きてきた加虐性が、自分の欲求を満たすための被虐性愛に転換するところが遺憾なく描かれています。 

 

7位 勃たないヤリチン元ホストがハマるとヤバい男に監禁される1ヶ月

ジャンル:オリジナル 作者:すめし

タイトルが全てを物語っています。ツラの良さと枕営業で歌舞伎町のナンバーワンホストとして君臨していた怜央がある日EDになり逃げるようにホストを辞めて会社員として過ごしていた時に成史に会い、治療名目でエロ行為をされたらED治ってラッキー❤︎とばかりに女漁りしたらまたEDを発症、再び成史の治療を受ける羽目に。今作は成史所有の海外の別荘で監禁されて主に道具責めされて勃起不全が治ります。おまけ漫画で女体オナホールで怜央がオナるシーンがあるんですが、それ見ながら成史が「ほんっとにノンケって情けなくて可愛いですよねぇ」て発言するので、ノンケ男性の皆さんは要注意です。 

 

8位 裏垢尾形加筆修正再編集版

ジャンル:ゴールデンカムイ 作者:前歯

現パロもので、素人がセフレ探ししてる裏垢SNSで尾形百之助がハメ撮りしてる映像を杉元佐一が見つけてしまい、会いに行ったらそのままラブホに行くことになる話。夏場のムレムレな杉元の肉体を尾形がまさぐったりしてウブな杉元が恥ずかしがるところが可愛い。ふたりは体の相性がとてもいいので、杉元は「俺だけじゃダメか?」て尋ねるものの、尾形は「他人に干渉されんのもヒロイズムのダシになるのもうんざりなんだよ」と杉元のまっすぐな愛を歪んだ自己愛でかわしてしまう。尾形は誰かとヤるたんびにアタリかハズレかで相手を評しているので、杉元と関わることでそれが変化するのかは次作の見どころですな。

 

9位 1936 此岸にて 【再版】

ジャンル:オリジナル 作者:かすがいネジ げすちゃん

第2次大戦前のドイツで、天から落ちた天使ニコラウスがナチスの高官ルトヴィクに拾われて何不自由なく育ってゆく過程で、生命の死や性に触れてこの世の悲しみを学んでゆく話。伯父のコンラートに強姦されて「愛し方」を知ったニコラウスが、同じことをルトヴィクに行い、気持ちはいいのに完全にはつながることができないことに泣くシーンがかわいそうでエロい。この話の前後に成人したニコラウスがアメリカ人のおっさんとヤるシーンがある。

 

10位 闇に寄す<破>

ジャンル:ゴールデンカムイ 作者:これなが(けだま)

鶴見中尉と月島基が両思いで初セックスに至るまでを丁寧に描いた良作。「お前が、内に密かに飼っているその火 昏い闇の中にちろちろと輝く火だ…俺にはそれが眩しい 俺はその眩しい火の光に 時折眼を焼かれてしまうのだ(中略)この火を消したくてたまらなくなる…」と鶴見は告白し、月島は戸惑いながらも鶴見の激しい感情を受け入れようとする。セックスまでに近づいてゆくふたりの心理的距離感が危うくて良い。

 

11位 同居人に家賃の代わりにチンポを提供してもらったらハマっちゃった話

ジャンル:原神 作者:いちのみるく

ノンケ男性がアナニーしてるって現実にあるのかな?今作では理屈を並べて相手を論破するアルハイゼンが、家賃のないカーヴェから家賃がわりにちんぽを提供する提案をされていざヤってみたら予想以上に気持ちよくてハマってしまう話ですが、乳首やアナル開発されて徐々に受として自覚してくくだりがエロい。「気が強いやつはアナルが弱いって言うけど本当だったんだな」てカーヴェ談。アルハイゼンはいちいち男に犯されることで敗北感を味わってるけど、現実の男性もそうなのかしらね。

 

12位 ウラガワ

ジャンル:ヒプノシスマイク 作者:わたあい

観音坂独歩が何かにつけてオナニーする話。前半は違法マイクとの試合の影響で謝罪するたんびに射精してしまって何かが目覚めそうになってげんなりする話で、中盤は連勤疲れを買い漁ったオナホールでオナって発散しようとする話、後半は営業でボロ病院にきたら閉じ込められてしまってホラー的現象が起きまくってテンパった独歩が「性的なこと=生命力であるから霊的存在とは対極にある」発想からとにかくエロ!エロいことを!とばかりに人体模型をオナホにしてヤったり、検尿カップにオナって出た精液を入れたりと兎に角オナる。オナる男をたんのうしたい方向け。 

 

13位 メス乳首少年と乳搾り職人おじさんのまとめ本

ジャンル:異世界日帰り漫遊記 作者:すん

乳搾り職人のおじさんがツカサ少年の乳首を開発するくだりが丁寧に描写されててエロい。後半にはちゃんと本番行為もあるのでそれも丁寧です。 

 

14位 薄明

ジャンル:ゴールデンカムイ 作者:U

月島基が鯉登音之進のエロい夢を見続けて苦悩するも、実は鯉登のほうも準備万端じゃないか!的な展開で鯉登が天然でいちいち煽るので我慢ならなくなった月島が乱暴になるところがエロい。

 

15位 ドシロートコミュニケーション

ジャンル:スラムダンク 作者:篠崎きょうこ

人前ではケンカばっかしてる流川楓桜木花道が人目のないところでは激しいセックスする間柄だったとゆう話。独占欲強めの流川に激しく犯される花道がエロい。 

 

16位 ぜんぶアンタのせい

ジャンル:スラムダンク 作者:さばの味噌煮

三井寿の誘いに宮城リョータがタジタジするもだんだんノせられて本番に突入してく様がエロい。最初は積極的な三井が、宮城にヤられるうちに涙流してヨガってしまっている痴態がいいすね。

 

17位 有るべうもなし泡沫の

ジャンル:鬼滅の刃 作者:オツ

不死川実弥が半鬼化した不死川玄弥を誘われるまま犯す話。実弥が鬼を殺す際の高揚感に囚われて玄弥を犯し、自分が鬼畜であることを自覚するシーンがイイ。 

 

18位 100回メスイキしないと、出られない部屋。

ジャンル:呪術廻戦 作者:マンボ

伏黒甚爾と虎杖悠仁がそれぞれ欲求不満になったところで「部屋」に2人同時に入れられる、毎度お馴染みな展開。甚爾の強引なセックスでメスイキしまくる悠仁がグズグズエロい。 

 

19位 【再販】鬼殺隊見聞録ー再録集2ー

ジャンル:鬼滅の刃 作者:茉莉

柱のメンツが出てくるコメディもの。エロなしだが絵も上手いので載せておく。鬼滅映画がいかに売れたかこの同人誌を見ればわかる。 

 

20位 触手[番い適性検査報告書]001

ジャンル:オリジナル 作者:紺ノ由

数ある触手モノの中でもかなり丁寧に男を嬲ってたのでランキング入り。 

 

【総評】

スラダン映画によって狂ってしまった方々がたくさんエロ同人誌を描いた年でした。体育会系の精力の強さ。総数は他の人気ジャンルと比べて少ないのに、内容が粒ぞろいで大変よろしい。呪術廻戦は原作者が魅力的なキャラを次々に殺してしまうため、熱心なファン達がどうにか!どうにかキャラが幸せになる世界線を・・!!とばかりに同人誌でバッドエンドではない展開を繰り広げまくってたのが印象的でした。まあ同人誌て元来そういうものですよね。心残りは東京リベンジャーズの良さそうな同人誌がまったく手に入らなかったことです。

 

・エロ創作物に関するひとりごと

「描いてはいけない表現がある」てのは「存在してはいけない人間がいる」てのと同じ意味に思える。以下の文章はこれを前提にしています。

創作物に於いて、例えば殺人性癖をもつ人間がいるから殺人描写は一切してはいけない、などと言う人はいません。なのに、小児性癖を持つ人間がいるから小児エロ描写はしてはいけないという論調が公然とまかり通っています。「わたしの性癖はいいけどあなたの性癖はダメ」という論理はこれまで繰り返されてきた差別そのものです。殺人性癖に関して言えば、角幡唯介さんという冒険家の方がイヌイットと同じ生き方をしていくなかで、狩りによる殺しが楽しいという感覚を見出してしまったそうです。殺しの娯楽感は原始の時代からあるもので、現代社会ではそれがわからないようにされているとおっしゃっています。小児性癖に戻しますが、子供への性的感覚は多くは思春期前あたりに周囲にいる同性や異性に対して抱くもので、おそらくそれが生涯にわたって心を支配してしまう側面があるのではないかと思っています。だとすれば、小児性癖を抱く人間はいつの時代も一定数生まれ続けることになる。どう対処すればいいのか?創作物で発散する方法があります。性的暴力、性的搾取、空想の世界であれば大いに結構。現実でやってはいけないことをやるために創作の世界がある。表現の自由とは精神の自由でもあります。創作物の世界では描いてはいけないことなどなにひとつない。殺人性癖も、小児性癖も、創作物の中ならばいくらでも満たしていいのです。ただ、そういった真の表現の自由を実現するには教育が必要です。ヒトラーのような苛烈な扇動をする者がつくったものを目撃した時はどうしたらいいか?小児性癖者向けのエロ漫画を見た時はどうしたら?あらかじめどういう心構えでいるべきか、どう対処したらよいのかをしっかり教えておく。いちばん悪いのは「全部なくして無かったことにする」。それでは苛烈な表現物に出くわした際に丸裸で放り出されてしまうのと同じことが起こります。理想としては「どんな創作物をみてもブレない」姿勢をもつことです。異質なものが出てくるたびに禁じることは表現の自由を衰えさせるだけだと思います。苛烈な表現に怯えて禁止にがんじがらめになる脆弱な「自由」よりも、どんな表現が現れても冷静に読みとくことのできるしなやかでゆるぎない強さを持つ「自由」を実現させる社会こそが多様性を尊重していると言えるのではないでしょうか。

ただし実在の子供に手出しした奴は死刑でいい。