真に心震わすような作品はテレビでは一切宣伝されずひっそり公開されていつのまにか終わるものです

『「気をつけないと太っちまうんですよ、奥さん」彼は言った。「わたしはあなたや、あなたのハンサムなお兄さんのように、生まれつきスタイルに恵まれているのではないのでね」
 レニーはくすくす笑って、彼の方に唾を吐き散らした。つまり、大喜びしたのだ。マイラは顔を赤らめて、お世辞が上手だと言った。
 「お世辞?わたしがご婦人にお世辞を言うと?」ケンは言った。「とんでもない。そんなことは一度だってしたことありませんよ」
 「何をおっしゃいます!私はそんなにスタイルよくありませんわ」
 「うん、そうかもしれませんね。でも、それは奥さんがまだ十分に成長しきっていないからですよ」ケンは言った。「まだ少女の体型なんだ」
 「あら、いやだ」マイラはくすくす笑った。「そんな途方もないことおっしゃって」
 「もう少し肉がつけば完璧ですよ」ケンは言った。「お兄さんぐらいの歳になるまで待つんですな」
 いや、まったく、これだけ嘘を並べれば、元気なときだって疲れるだろう。そして、このときのケンは元気どころではなかった。ただ習慣でそんな応対をしていたのだが、見たところ、そろそろ限界のようだった。
(中略)
 おれは彼にホワイト・ウィスキーの1クォート瓶を渡した。彼は一口長々と、長々と飲み、むせそうになって、ごくりと飲みこみ、椅子の背に頭をあずけた。額に汗が吹き出している。全身で身震いし、顔色がいっそう悪くなった。今にも吐くのではないかとしばらくは思っていた。あんな風にマイラに嘘をついてお世辞を言うのは、今の彼には無理だったのだ。ところが突然、顔色がまともになり、汗も震えも止まった。そしてケンは大きく長くため息をついた。
「いやあ!」彼は小声で言った。「今の1口で助かったよ」
「手綱1本じゃ馬には乗れないってね」おれは言った。「もう一口やれよ、ケン」
「いやはや」彼は言った。「いや、参ったよ、ニック。それじゃ遠慮なくやらせてもらうか」
 彼はもう2口3口やり、瓶の中身は半分ほどになった。そこで彼はペースを落とした方がいいと思うと言った。おれは彼に、帰りの汽車までまだ2、3時間あるから、ゆっくりやるといいと言った。
(中略)
 彼はあたりを見まわして、ウィスキーの瓶を探しはじめた。おれは、あんた自分の手に持ってるよと教えてやった。すると彼は、さらに2、3口飲み、それから瓶を光にかざして見た。
 「こいつは、たまげた。おれはウィスキーを1クォートほとんどまるまる飲んじまったのか!」
 「いいじゃないか」おれは言った。「全然顔に出ていないよ」そして不思議なことに、ほんとうに突然素面に近い顔色に戻った。
 おれは前にも一緒に飲んだことがあったので、ウィスキーを飲むと彼がどうなるか、知っていた。それほど多くない量、たとえば1パイントぐらいの酒だと、彼はひどく酔っ払う。つまり、顔に出るという意味だ。ところが、その量を超えると、もちろん限度はあるが、素面に戻ったようになるのだ。足取りがしっかりし、言葉もはっきりとして、馬鹿なまねをしなくなる。内側はへべれけに酔っ払っているのに、外から見ると、それが全然わからないのだ。』(p.67〜69、74)

上記『』内はトンプスン先生著書のからの抜粋。というわけでNAKAGAWAさんの恥さらしの件は要するに飲む量がトハンパすぎだったんだなと思います。あすこから更に1本くらいいっとけば逆にシャキッとしたよ。実態としては風邪ヤク酔いからしいんでよけい悪化しちゃうか。しかし昨今のNAKAGAWAとか首相とかみてるとマジ議員連中って保身しか考えない金持ちの箱入りお坊ちゃん集団なんですね。「親の七光りだから」とか「所詮息子だから」とか言いたくないけど、最近の一般人でもやらないようなバカむきだし言動からして親が議員だったから俺もなっとこ〜程度の心持ちで何ひとつ真剣に考えてこなかったとしか思えないような奴だらけにしか思えないんですもん。そのまんま東みたいにマジでそういう仕事がやりたくて死ぬほど努力してなったとかいう人って議員のなかにどれだけいるのかね。やっぱほとんどが「親が議員だから息子の俺がそのまま議員ポジションにつくのってオイシイ」みたいな安易な考えでそのまま議員になってんだろうなあ。議員以外で自分の適性や人生かけてやってみたいことについて考えたことがあるのかどうかもアヤしい。なにしろエリートっつっても現場で使えないんじゃ中身はエリートでもなんでもないし。つうかてめえらの采配ひとつで国が滅んだり壊滅状態になったりすんだよ!!自覚しろボケ!!
酔っぱらいは国政の顔見せのとこなんかにいられるとこまりますが、それ以外のところにいればみていてとてもたのしい存在です。前回のこの番組で、志村けんのつくった酒を下戸の原田って人がむりやり飲んだらエッヘヘヘ…みたいにやたらニコニコしだして誰かから話しかけられても幼児みたいな受け答えしかできない状態になっちゃって、雰囲気的にはしゃべれないウド鈴木というかやさしくて無害な知的障害者みたいになってて普段よりずっとおもしろかった。あの有様のリアルなヤバい人感と今回のNAKAGAWAさんの見ちゃダメ感がちょっとおんなじふうだった。自分で自分を抑制できない状態の人の見世物感というのは娯楽の基本中の基本ですな。それをひとむかし前の体当たりのお笑い番組は意図的につくりだそうとしてたし。今はそのテのえげつない肉体的いじめ笑い番組が激減して語り方向にいってるってことは、お客さんが笑い語りへの高い技術を求めてるのかな…と思いきや取りざたされる新人芸人は一発屋ばっかで実態は肉体的いじめ笑いと同じかそれ以下のもんでしかないんだよなあ。笑い語りの高い技術ってことはアメリカみたいなキツイ諷刺のきいた鋭くてえげつないアレになるだろうけど、ポンニの「芸人」フリークの女でそこまで求める奴はまだぜんぜん増えないだろうし。

話ちがうんですけど、最近よく映画をみるようになった夫人が「テレビでたくさん宣伝してる映画は必ずつまらない」という事実に気づいたとか自己申告してきたり。映画をぜんぜん観ない人に限って「テレビで宣伝されてる=内容がいいもの」なのだとなぜか思い込んでることがすんげえ多いんですよね。実母とかもそう思ってた!とかこの前このネタぶつけたら驚いてたし。そんでテレビに言われるがまま観に行ってつまんないと「洋画はぜんぶつまらないんだ」とか思い込んで2ちゃんに書き込んだり吹聴したりすんのやめれ。つーか広告会社とか全員命綱なしでバンジーやれ!!(by高瀬さん)