プー様はイースタンプロミスみたらどう思うだろうね

自由じゃないよね、フリーランサーモノカキは!(土曜。ジュンク堂)→チェンジリング(日曜。バウスシアター)→爆音イースタンプロミス。バウスシアター前にロックンローラやなぎみわ観てこうと思ってたんですがなんとなく実家でテレビをダラ見したり。なんか日テレでたけしがみのもんたっぽく扮した(黒マジックで顔面に書いてあるシワがヘルレイザーの魔導士っぽかった)感動ご対面番組のパロディみたいのをやってて、父親を探してほしいっつう依頼者になんとお父さんがみつかりました!ただしこれから出されるクイズに正解したらお父さんと会うことができます!不正解の場合はお父さんの下半身だけ見ることができます!とかいってミリオネアみたいなつくりになって、依頼者の父親の異常性癖(どれにしろひどい)についての4択なんですが、なんとか依頼者が正解してさァご対面!ですがその前になんとジャングルで行方不明になったあなたの弟さんもみつかったんです!さァどうぞー!とか扉が開くと腰にワラ巻いた土人さんが「オニイチャー」とか言いながらおっ弟ッ?!とかとまどう依頼者に抱きついていってた。すっっっげえひょうきん族入ってて癒された。たけしはまたこうゆう素晴らしいコント番組に身をやつせばいいのになー。トークショー青山南先生に慈しむような目でみつめられてときめく。この感情を共有できるのはムチオヤジ権威の内澤おねえさんくらいだろうなあ。みつめられた件は位置的にちょうど青山先生の目線がきやすいポジションだったことが大きいんでしょうけども。青山先生はしきりに編集はやめて物書きになりなよーとかぶつけて岸川さんをいわくいいがたい表情にさせてた。滝本さんはマイクを握る毛の生えた指をエロく動かしながらヘンライさん経由でアメリカ政府のゲージツ家支援法(オバマさんも似たようなことやるらしい)にトンプスン先生絡んでたみたいなええっとなる話とかしてて、それが案外フリーライターとかの書いて食う系の話とつながってってたり。ヘンライさんていまんとこポンニでは「ホッパーで出る人」程度の知名度みたいだなーと思ってたらしってる人はしってるのね(ていうかこんな昔にもうすでにヘンライがらみの文でてるし)。終了後にヘンライ本楽しみにしてますとかいつものグダグダな調子でがんばってくださいとかよけいなひとことをぶつけてみたらアリガト!!とか怒ってた。この年にしてすきな子につい悪さをしてしまういじめっこの気持ちが理解できてきました。でも最初目があって会釈されたのが死ぬほどうれしかった。もう死んでもいいや。
アイウォンマイサンズバアァァァァァックということでジョリ姐がかよわい女性をうまいこと演じていました。目の大きいひとが気弱なキャラを演じると被虐味が3割増しくらいなりますな。ジョリ姐もEんですけど今作では当時のロス市警の腐敗っぷりについてこれでもかというほどハッキリ描いてまして、むかしの出来事とはいえポリのバカさ描写が全編を貫いてるんでなるほどイーストウッドくらいしかできないだろうなあとしみじみ思いました。ジョリ姐は子持ちバツイチで電話交換手会社の主任みたいな仕事をしながら子育て生活を送ってるんですが、ちょっと息子を家にのこして仕事して帰ってきたらいなくなってて、アセッて電話で市警に捜索願いをするも規則で子供探しは発生から24時間たたないとやらないんですよね〜まァたいていの子は夜があけると帰ってきますから。とかかるくうっちゃられて、とりあえず翌日ポリがくるもあまり親身にはなってくれない。ジョリ姐失意のまま仕事をしていたある日、職場にとつぜんポリがきて、お子さんがみつかりました。とかいうんで喜んで迎えにいくもなんか全然べつのどっかの子で、ドン引いてこの子じゃありません…とつぶやくジョリ姐にポリがまァかわいそうな子なんですよ。とりあえず記者の前でうれしそうに微笑んでくれます?とかいわれてぎこちなくカメラにおさまるジョリ姐とどっかの子。とりあえず家に連れ帰ってあんたどこの子?と問いただすもなにも答えないどっかの子。その後もジョリ姐はロス市警の警部のとこにおずおずと抗議にいくも、あんたそんなバカ言うんじゃないよ!頭おかしいんじゃないのか!とか警部から恫喝されたり脅されたりしたんですが、それでもジョリ姐が黙らないのをハラに据えかねた警部はある精神科医をジョリ姐宅に送り込んでくる。なにもしらないジョリ姐はあてがわれたどっかの子はちんこが割礼済みなこと、自分の子の身長より全然ひくいこと(柱に痕をつけてあった)を訴えるもあれですね、ちんこは家出中にいっしょにいた人が皮切ったんじゃないんすか?身長は家出のショックで背骨がちぢんだんですよきっと〜とかものすごい非科学的なことばかり並べだして、その上どっかの子を連れ出してこの子はコリンズさんの子ですよ!とか近所中に触れ回るというウルトラ迷惑なことばかりする精神科医。意味わからない連続で困り果てたジョリ姐のもとにある日連絡がはいり、なんか警察のひどさを訴え続けてる牧師さんで、ジョリ姐に助力を申し出てくれたうえで、ロス市警のやりくちについていろいろ教えてくれる。ちょっと戦う気になってきたジョリ姐は自分の子が通ってた学校の先生や歯科医に、あてがわれたどっかの子が自分の子じゃないという証明や宣誓する約束をしてもらう。牧師さんの助力でいよいよラジオでジョリ姐自ら今回のことを訴えようとしていた矢先、ロス市警から呼び出しがかかり、行ってみたらいきなり拘束されて精神病院にブチ込まれるジョリ姐。病状によってブチ込まれるとこが決まってて、ジョリ姐の場所は警察に逆らった人間がブチ込まれるとこで、ポリに楯突いたりたまたまそうなってしまったという人がそこに押し込められていて、みんな精神は正常なんですけどここに押し込められたがゆえにおかしくなってしまっていたりする。しかもジョリ姐に対してはたびたび「ロス市警にあてがわれた子が自分の子じゃないという発言を取り下げるか」との条件がつきつけられ、それをのめば外へ出れるんですけど、ジョリ姐は頑として認めないので院内で地獄のような数年をおくるはめになる。その後は牧師さんの助力で事態を巻き返していく展開になるんですけど、なんというかもうロス市警がまともな捜査すらしない怠慢さをまったく正そうとせず、逆にそれを批判してくる人を片っ端からお縄にかけたり精神病院にブチ込んだり、悪くするとマシンガンで蜂の巣にしたりと公的機関が総力をあげて口封じし放題なありさまで、市民側はその警察の腐りぶりについてのデモをしたりしてるにも関わらずすこしも聞く耳もたず、むりやり事件解決をデッチあげたりと上っ面の正義演出で体面保ったつもりになってふんぞりかえってるありさまがマジひどい。エルロイ映画の白んぼ警官はまだ善意があるだけマシなんだなと思えるほどですよ。つうかあれがそもそもの姿なことを考えるとフェイクシティへの流れがすごく自然です。チェンジリングにもどしますが、ジョリ姐は期せずして警察腐敗と戦うことになってしまって、なんというか人は突然大きなものに関わらせられるのが人生とゆーモノなのかなあとぼんやり思ってました。あと子供20人殺しの人みててちょっと育て方まちがうとヒトってたいへんな怪物になっちまうものだよなーとしみじみ思いました。厳しすぎたりほったらかしすぎの人は要注意。いま美達さんて人の重罪人刑務所の本よんでるんですけど、なんか書いてるご本人もその刑務所にいる方なんですが、生い立ちからすると厳しすぎる父親への恐怖心(従わないと愛されない)から命令を叩き込まれて「それに従うことがいちばん正しいんだ」と信じ込んでるがゆえに殺人したっぽいんだよな。原因の根っこにお父さんへの恐怖心がこびりついてることに気づいてないっぽいのがなあ。人をないがしろにすることは「法律で定められてるからしてはいけない」とかじゃなく、お父さんの暴力によって作者さんの精神が傷ついていることがなによりの原因だと思うけど。自分がどう感じたかよりお父さんのやりかたばかり優先してるとこからして、従うことで認められよう愛されたいと思ってるから強迫的にお父さんのやりかたを染み付けてしまったんでしょ。親子だってそれぞれちがう考えをもってるのに、それを踏みつけにされたことに対してこの作者さんはお父さんとまともにぶつけあったことがあったのかなとちょっと思います。お父さんとまともに向き合わないかぎりはずっとお父さんの影を追い続けてナンバー1になるために人を殺すこともいとわないだろうと思う。チェンジリングはさいごあたりで子供20人殺しの人が死刑執行所で縛り首になりますが、遺族だの記者だのが現場にずらりと並んでる前でやるのもアレですけど、死刑台の床が抜けて吊られるとちょうどみてる人と同じ位置にきてビクビクッ…て死んでいく演出がイカスと思った。そうそう、あとジョリ姐にあてがわれるどっかの子が真実を言わない理由がなんてことのない子供まんまの理由なとこも残酷でよかった。見習いたまえ!!>ターセム。深く考えられないからこそ大人の尺度からすると純粋だしそれだけ残酷なんだよガキってのは!!
爆音イースタンプロミスは暴力シーンの音がやりすぎなほどエグいかった。あとキリルはやっぱホモなのかーと思った。最初のほうのシーンで椅子にどっかと腰掛けたニコライの靴を這いつくばって頬ずりするみたいなとことかこまごまあって。キリルの精神去勢の原因であるボスのお父さんはロンドンは暑くも寒くもならないホモの街だ、とかいうわりに故郷(ロシア)は寒くてヤだよ…KGB待ち構えてるし…とかけっこう腰抜け発言してたりしますが、とりあえず人がみてる前でかるくレイプできるちんこならばヤクザは勤まるものなのですね。