近未来なのに驚くような技術がサッパリでてこねーしな

今晩10時からのテレ東NHKがどっちも捨てがたいカンジなんですけど、いまんとこプー様をとる予定ですんで有志の方の少年マンガ50年ユー粒うぷをたのしみにしておきます。まあ最低。

昨日はディファイアンス(しね)→THIS IS ENGLAND(えぬ)→REPO!(シネマライズ)→ルパン三世ドキュメンタリー(アンジェリカ)。
REPO!、ド級のクズ。
このごみくずについて書く際にロッキーホラーショーやスウィーニートッドのようなすばらしい出来の作品を引き合いに出したりするな。質に差がありすぎてマジ別物。ミュージカルかと思ってたんですがセリフほぼぜんぶ歌なとことか最後のタレごとからしてオペラということだそうですが、これがオペラのつくりとして忠実というのならオペラというのはクソつまらないもんなんだな。バートンのスウィーニートッドはミュージカルだけど、物語進行上の感情の昂ったところで歌パートにはいるから自然だし、歌をつくった人がうまいせいもあるとは思うんですけど、ストーリー上のサスペンスや物語の臨場感はまったく損なわれていない=歌が話の邪魔をしてなくてむしろその場面にキャラクタが感じている情感を伝えるのにピッタシの働きをしてて、要するにあのミュージカル部分が映画にとって不可欠な要素としてリアリティともうまく共存してたものです。それだけじゃなく時代やビジュアルデザインやその他もろもろがすべてしっかりイメージが定まってるからすべてが相乗効果となってすばらしいゴスの暗さや恐怖感がこれでもかと醸し出されてた。どの演出要素もいらないものがひとつもなく、これがバートンのもちうる「ゴス」の世界だという表明でマジ素晴らしかった。文句のつけようがない。ロッキーホラーショーはドタバタセクシーギャグものでスウィーニートッドとちがって明確な時代設定とかはなくて衣装とかもメチャクチャなんですけど、この作品にしかないノリというかビジュアルイメージがしっかりあって、まーでもキャラとか衣裳とかまじまじとみればどっかでみたようなのはあるかもしらんけど、多少オリジナリティに欠けててもやりたいことが明確だからこそ唯一無二の世界観をもつマスターピースになってる。作り手がなにを伝えたいかがしっかりあれば端々がどうであろうとしっかりした作品になる。レポにはそれがない。 いちばんダメなのはセリフ部分がほとんど歌って進行なので、ストーリー上の臨場感がすこしもわかないこと。ふつうの劇映画の物語進行上でみててドキドキする=感情移入するのはリアリティがあるからこそ、劇中にドップシ浸れるのは架空の世界とわかっていてもそうとは思えない作り込みありきなのであって、現実生活にはまずありえない「でかい声で歌ってる」ってのはすなわち演技してるんだなーというのがまるだしになってて、つまりよっぽどどうまいことやらない限りは「映画中で歌ってる=リアリティゼロ」なんですよね。「感情が昂ったときだけ歌う」みたいな部分的な使い方なら感情あふれ出る的な演出としてまだ自然だしわかるんですけど、でもレポの場合ほぼ全編ずーっと歌いっぱなしだからシーンごとの感情起伏の落差も平坦にみえるし(歌が劇的っぽくつくってあるのがやりすぎでかえって滑稽にみえる)、そりゃ歌の強弱で怒ってるんだなー楽しいんだなーてのは最低限わかりますけど、でも物語のドラマティックさやスリリングさってのは歌であらわすもんじゃなくて、それは映画監督さんの腕のみせどころの演出というもののはずじゃん。それをなくしてぜんぶ歌にしちゃってるわけですよ。たとえば主人公が長いこと閉じこめられて悲しんでることも父親が苦悩してることも、同じふうに歌って説明するもんだからさして苦しんでるように見えないっていうかさ…感情表現の落差がみえづらいがゆえに感情移入できなくてみててもなんっにも思わないし、なにしろ心が微動だにしないのよ。1時間半の凄絶な無。このあとどうなるんだろう!とか以前に俳優さんが脚本どうりに歌わされてるんだなーくらいの感想しか発生せず。スジはいちおうあるみたいなんですけど、全部セリフと回想シーンで説明しちゃう演出な上、そのセリフもつねに歌って進行するもんだから、リアリティ以前に話自体にまったく興味が持てなくてどーなったってどーでもいいとしか思えなすぎてこんなんだったらヘルレイザーの魔導士がでてきて映ってる奴ら全員を延々となぶり殺しにし続けたほうが数千倍いいのになーとシャレじゃなくずーっと真剣に願ってた。そんくらいなにも存在してなかった。歌ってないときには回想イラストになるし。これね、キルビルプロダクションIGのアニメーションパートみたいのならまだいいんですけど、なんというか静止画が1〜2枚パッ、パッと変わるだけのやつだからよけいつまんないの。つうか映画みにきてんのになんで絵みせられんの?それに加えて近未来の時代設定にも関わらず50年前くらいの稚拙な外科技術(顔面の皮膚を取り替えてばっかいるキャラがいるんですけど、近未来設定ならあんなゴムのマスクとってつけたみたいなことせずに近未来らしい見た事のないようなSF的なすごい技術とかみせてくれよ)。内臓をとりだすことを長年生業としてる者だったら、大事な金ヅルに対して乱暴で大仰な手つきでやたらめったらブッ刺すようなまねはしないはず。登場キャラ全員の着てるファッションが80年代のロックミュージシャンのド派手なバカ服を大学生が参考にして文化祭で出した程度のつくりとセンスなのにそれを本気でかっこいいと思ってやってる。たとえば偉い人付き人の女の衣装とか街のヒトビトとか、極めつけが中盤で主人公が父親に逆らうだってアタシ17なんだもん!的なシーンがロックっぽい雰囲気になるんですけど…もーさー…このダーレンとかいう監督はロックはおろかゴスも近未来もホラーも好きでもなんでもないだろ。ただジャンルとしてなんとなく表層知ってるだけのいい子ぶったうんこたれまるだし。どのジャンルについても愛もこだわりもなにもないのがいちいちつくりの稚拙さやデザインの底なしのこだわりのなさっぷり、それがダサいかどうかを判別することすらできない美的感覚のなさ、すべてにおいてどれもどうでもいいって言ってるようなものです。内臓とりだすのも痛くもなんともなさそうだし。なんにも興味ないくせに知ったかぶりして表層だけそれらしく装ってるセレブ気取りのバカがビルモーズリィ使ったりすんなこのマニアぶったクソが。これ以上映画を愚弄するなら死ね。ジャンルに興味がないのは百万歩ゆずってまあいいとしても、カネとって人様にみせるものとして最低限みる人の感情に訴えかけるということ、悲しませるとか笑わせるとか怖がらせるとか、そういった映画で稼ぐ人間としてまずあるべき基本的娯楽精神の一切を放棄して、ただ俳優ならべて着飾らせて脚本どおりしゃべらせた映像をみせればいいんだろう、いま流行ってるジャンルっぽい風味にしとけばいいんだろう、その程度しか考えていない腐った気取り屋は映画に近寄らないでください。シネマライズさんはいい映画をたくさん上映してくれるからすきですけど、いったいどうしたんですか?これ買わないとなんかほかの凄い作品を買わせてもらえなかったとか?こんなの流しちゃ名が廃ります。パンフになんか書いてるライターの人はホメちぎってるようですが、お仕事とはいえ完全に脳の病気です。なにげなく苦笑みたいな書き方もできたはずなのに。要するにおべっか使いなんだね。

えーこれが大英帝国だはかなり混んでました。外人さん率多かった。スジは母親とふたりぐらしの少年がなにかというと学校で問題起こしてて、それというのも80年代にはいってるというのにいまだに70年代(60年代?)流行ったらっぱズボン履いてくるからで、それは死んだお父さんがくれた特別思い入れがある品だからしかたないんですけど、でも時代的にはズレまくり(今からすればボーイジョージなかっこのが笑えるけどな)なのでいちいち小バカにされて笑われてはボコスカやって問題児になっている。むしゃくしゃしながらの帰り道でたまたま会った年上のにーちゃんたち数人と仲良くなって、特にボス格の人が気にかけてくれて年齢差があるにも関わらずいろいろ遊び(廃屋を破壊してまわったり)に誘ってくれたりして、学校でひとり浮いてた少年はだんだん生気を取り戻していく。年上のにーちゃんたちはあるルールのもと「スキンヘッド隊」みたいなチームを組んでて、五分刈りで決まったシャツにブーツといういでたちがルールなんですけど、少年も当然チームにはいりたくってしかたなくなって母親にナイショで五分刈りにしたりでかいサイズしかないブーツをねだりまくったりとちいさいなりにチームの一員になろうとがんばる。そうこうするうちに現ボス格の青年のかつての罪をおっかぶってお勤めしてた青年が強面の男といっしょにムショから帰ってきて、とりあえずオレたちの国から意味わからねー外人追っ払おーぜ!とかネオナチくさいこと言いだして、なんもしてないパキスタン人の人の経営する雑貨屋に押し入って泥棒したり破壊行為したりとムチャをやりだす。それまで温厚に楽しんでたグループ内に亀裂がはいる。主人公の少年はこのネオナチくさい人と付き合ってくことになるんですけど、そうこうするうちにいろいろうまくいかないムショ帰りの人が、グループ内にいたパキスタン人の青年を酔っ払ったはずみで力任せに殴り続けてしまう…。だいたいこんなスジでクラスのはみだしグループの苦い青春群像みたいな話なんですが、なんかあのムショ帰りの青年の人はみてくれが30代以上のおっさんにしかみえないんですけど、やることというかメンタリティレベルが中学生すぎで、その落差にビジュアル的ショックがちょっとあります。ムショ仲間の人は人を10人以上かるく殺しててもおかしくないほどの凶悪な風体なのに、劇中では皆でなかよく黒ひげ危機一髪みたいなことやってよろこんでるし。外側と内側の成長落差がありすぎなせいかかえってよけい痛々しいかんじがします。グループ内でも主人公の少年は体もちいさいせいか背伸びしてる感がちょうど相まってるんですけど、あのムショ帰りの人の肉体の成長に心がまったく追いつかない雰囲気はちょっとスゴいぜ。あとパンフよんで気づいたんですけど、あのスキンヘッズってのはいちおうネオナチなんですね。なんか特に鉤十字っぽいアイテムとか出てこないんでよくわからなかったんですけど、あちらでとりあえずハゲにするってのはそういうことなんですかね。モッズっていう団体とはまたちがうんすかね。よくわからない。
 
ほかの映画とかについては明日にします。