ツインピークス全シリーズ爆音祭とかやっちゃえよ

バウスシアターでの爆音映画のリクエストがとっくに終わってすでに決戦投票なってた。てゆうかもうこの15本ぜんぶやっちゃえばいいじゃんとも思う。どのみち最後まで残ったってことはそれなりにお客さんついてるってことだろうし。あとまなさんとこでロケ地現場めぐりのページ(映画は映画だの場所も)が出てたついでにタマヒメさんとこに出てた現場地図専門ページものせておきます。

日曜みた映画のつづきですが、ディファイアンスはかなり前から前売り買ってあったんですけどどうも行けずじまいでやきもきしてましたが、生理初日の子宮の痛みで起きざるをえなかったついでに意を決して午前中のをようやくみにいきました。ナチのユダヤ人狩りから命からがら森に逃げのびてきた3兄弟が、やはりおなじように逃げて森に潜んでいたユダヤ人たちと身を寄せ合ううちになんだかんだ数百人くらいに増えてってしまって、森で本格的に暮らそうとするも彼らに食料を奪われた地元民によってナチにチクられてまた森からも追われるはめになるもので、数年間というもの森で安住しかかってはナチに殺されかかって逃げるくりかえしなんですが、それというのも数百人分の食料を調達するのは当然農民の方から奪ったりナチの兵士を襲ったりしないと手に入らないわけで、農民の人もぜんぶ奪われたら食ってけないからほどほどにもらうわけですけど、それでは数百人の腹をみたすなんて到底できなくて配分も各々が微々たる量になってしまって、みんなつねに飢えている。その生活に耐えられなくなった一部の男どもがある日統率してるダニエルクレイグを無視して勝手に食料を独占しはじめてひと悶着あったりと精神的にも肉体的にも疲弊しきった状態でいる。そんななかでも暮らしていかねばならないため、各技能を活かして日々の生活のために全員が働くようにする。家をつくり学校をつくり、戦うための訓練をする。あたたかいうちはまだいいものの、冬がくると奪うにも量的に限界があって食料がすぐに底をつく。栄養が偏って壊血病になる。病気が蔓延する。ペニシリンも奪わなければならない。奪いにいくもナチが常駐するところなので無傷では済まず、行けばかならず数人が犠牲になる。当然相手を何人も殺さねばならない。迫害にさらされている被害者の立場とはいえ、ユダヤ人たちは生きていくために強盗や殺人すらも犯さねばならなかったことをちゃんと描いてる映画をみたのはこれがはじめてだったんでちょっと感動した。ナチとユダヤ人の映画っつーと一方的に蹂躙される的な画ヅラしかなかったし。ディファイアンスではようやく森での生活が慣れてきたかなと思うと、住民がものを奪われた腹いせにナチにチクって追い立てられて逃げるくりかえしで、生活で地獄を味わってるというのにその上また鬼のように銃撃されるわ空爆されるわもうなんか拷問のような逃避行で、ラストのほうで飛行機から爆弾バンバン落とされて数百人が命からがら長いみちのりをクタクタになりながら逃げるわけですけど、沼地に出くわしたところでリーダーのクレイグが精根尽き果てて膝をついてしまってあきらめそうになったりします。そこらへんの展開あたりでは3兄弟のうちのふたりが絡む展開でまあみてのおたのしみですが、なんというか映画とかの創作物で描かれるリーダーというと常に冷静で実行力があって、みたいに強さを強調して描かれがちですが、このディファイアンスで数百人を率いるクレイグはつねに迷いながら決断してるし、さんざん困難をくぐり抜けた上でさらに追い打ちをかけられて絶望しかかるところがなんかリアルだった。あんな状況になったら誰でもああなって当たり前だと思う。戦争はどっちが被害者とかいうよりも、相手も自分もそれに関わった全員が鬼畜非道になってしまう仕組みのものなんだなーと思った。「生きるために殺す」があたりまえでさ。野生動物はつねにこの感覚なんだろうか。

そういえば昨日NHKスペシャルのロシアの軍国教育特集みましたが、プー様の現ロシアが軍事関係に重きを置いていて…みたいのだけを聞くとすわ世界征服!みたいに思えますがそうじゃなく、なんかチェチェン戦争時にもうロシア軍がガタガタで、兵器が老朽化でボロボロっていうのもあるんですけど、それ以上に国を守るための軍隊にも関わらず兵士教育がないに等しくて訓練すらまともに受けてない上、なにより国を守ることに対する誇りみたいな観念をもってない奴らばっかだったからそれはもう役立たずで、国防で死ぬならまだしも軍隊内のいじめが原因で相当死んだりしてたとか。で、それをみかねたプー様が軍事費をガンガン増やして兵器製造・売買で雇用は増やせるし国家予算は増えるし、小学生くらいの年齢からの軍人エリート養成学校みたいのをつくって多少拷問受けたくらいではゆるがない愛国心をもつ兵士をつくりだすと。市民レベルでも軍隊関係=一生安泰の公務員的な認識で、経済状態が思わしくないもんだからよけいに軍関係の仕事にむらがってるありさまだそうで(自分の子が食い扶持に困らないようにするために士官学校へ通わせようと必死な母親たちとか)。ロシアの国民的にもプー様がアメリカの言いなりにならない的なところが大変支持されてるとのこと。兵器で稼ぐなんてどんなヒドイ国…!とは言っても兵器売買世界一はアメリカですしね。ロシアは単にアメリカとおなじことやってるだけなんですけど、共産主義時代からあまり年月を経てないせいかアメリカよりも怖がられがちです。軍事関係で生産増やしても結果的には世界各地に悲惨な人が増えるだけで国としては限界があるような気もするしなあ。あんな広い領土あるんだし、軍事よりも経済成長のほうをがんばったほうがアメリカをすぐ追い抜けるような気もしますけど。さむすぎてだめなのかな。「経済が苦しいから軍隊に行くしかない」構図は国としては破滅しか待ってない気もする。立ち向かうべき問題から目そらして一時しのぎに頼ってるだけだし。経済方面のエリート学校はつくらんのかね。あそうそう、あと愛国心を植え付けられた子供がネオナチよろしく外国人を痛めつけたりする件がかなり増えてるとのことで、それは教育の過程で国を愛するよりも異質な他者への恐怖感(殺られる前に殺れ)を植え付ける的な教え方をしてるせいじゃないのかなーとかちょっと思った。弱いものを守る道徳観とか殺さずに解決する方法とかの、真の立派な軍人のもちうる精神的な高潔さとかは軍隊では教えないのかね。殺すだけが軍人じゃないだろ。愛国心もってても素行が荒れてたらカルトや不良とぜんぜん変わんねえし。