この前までドル箱スターだったよな>ジムキャリー

これってチェンジリングの嘘ついてる子の考えとノリ的にはまるでおなじですな。ガキんちょは尺度も幼いから残酷であたりまえなのに企業広告によって「幼い=純粋=可愛らしく優しい」みたいな図式が民間に浸透しすぎててそっちのがいかれてるという事実にこういうことが出るまでだれも気づかないあたりがどうなんすかねー。子供や幼いものを美化しすぎなんだよ。それに当てはまらないからって総叩きってのもなあ。たしかにやろうとしたことは傷害致死未遂で重いんですけど重いお灸すえればそれで済みでしょ。誰でもこんなふうだったんだよちっさいころは。
追記(3/31)。これぞガキの挑発!と拍手したくなるほど見事なセリフの件とかもあわせてどうぞ。

昨日はウォッチメン(バウスシアター)→イエスマン(バウスシアター)→歪んだ関係(ラピュタ阿佐ヶ谷)。ウォッチメンは異常な能力をもつ人が実際にいて政治的に関わったりしたらどうなっちゃうか?みたいなのをシリアスに描いた的なもので、なんか原作がかなり深いらしいがゆえに映画のほうは人物紹介に割いてる的な部分が多くて、いままでのスナイダー作品とくらべると血湧き肉踊る系のノリにはいまいち欠けるんですけど、「アメリカ映画といえば正義の味方が悪をやっつけて終わり」なものに食傷してるヒトほどみるといいと思う。超能力もってても心根次第でどうとでもなっちゃうみたいなところが主題なので。つうか2NNスレの書き込みでみかける日本映画好きと思しき人ってかならずハリウッド映画なんか正義の味方が悪をブチのめして終わりだろ、みたいに書いてあんなつまんないもんみる気がしれないみたいなふうにバカにするけど、じゃあウォッチメンみたいな漫画のキャラを実在の政治家や実際にあった政情とからめたもんがポンニで実写化されてんのか?創価学会と芸能界の関係すら映画はおろかテレビですら流すこともできないようなヘタレ国の映画事情なんかアメリカよりずっと格下が事実だと思うよ。スジとしてはかつて親の代から超人自警団としてならしてた人たちが、自警活動禁止法みたいのが制定されて以来各々ひっそりと暮らしたり政府の仕事をしたりして生き延びてるんですけど、そのうちのひとりが何者かに殺され、それを怪しんだかつての自警団の一員だったロールシャッハが調べ始めるというもの。ロールシャッハは母親が売春婦で、幼いころに母親が恋しくて近寄ると仕事のジャマだ、おまえなんか生むんじゃなかったと罵倒されて育ち、その母親を近所のガキどもにはいじめのネタにされ(もちろん半殺しで仕返し)、生まれ落ちたときから人間の醜さをいやというほど身に浴びて育った結果なにものも信じなくなった。人間は金儲けのために愛情を切り刻む。弱いものがいればあざ笑って痛めつける。精神科医の質問にどう答えてやれば「正常」と判を押すかなど朝飯前。そんなうわっつらの判断基準など実際には屁の役にも立たないからだ。自警団になってからも幼児をグジャグジャに刻みながら命ごいするような救いようのないクズを目の当たりにし、以来殺しに躊躇することもなくなった。人を傷つける者もまた被害者であるということなど考えない。自分のみてきたものだけを信条に汚れをふりまく腐ったクズは殺す。超人自警団のうち昔ながらのヒーロー気質(ちょっと粗暴な探偵小説の主人公みたいなキャラだし)をもってるのがこのロールシャッハだけで、あとの人たちはみんな痴情のもつれを超能力でどうにかしようとするような変態ばかりで、そんならそれでおとなしく昼メロでもやってればいいんですけど、どうしても正義の味方ぶらないとおさまらないようで痴話喧嘩すら地球規模になってしまい迷惑極まりない連中です。特にひどいのがラストのオチにからむ超人ナルシストくんと、あと青いチンコの人は実験中の事故でたまたま超人になっちゃったわけですが、もともと相思相愛の奥さんがいたにも関わらず青いチンコ変身後にソッコー若い超人の女の子に浮気して長いこと同棲してたんですけど、青いチンコの人は能力だけは神がかってて、火星で瞑想したりちょっと未来とかみえちゃったりしてだんだん人間がゴミクズにみえてきたりしてるせいで同棲中の女の子との心の距離がどんどん離れてってて、でも青いチンコの人はその子にまだ未練があるのでキミがぼくんとこに戻ってこないと核爆弾止めてあげないもーんだとかスネはじめたり、その女の子も寂しさから都合のいい超人仲間んとこに転がり込んでった挙げ句ちゃっかり同棲はじめた上、ヒマなので昔の超人スーツみつけてやっちゃいましょうよ!とか誘って久々にスーパーヒーロー活動したらムラムラしてファックしはじめたりと、能力に精神がまったくついていかない下半身で物事を考える連中ばっかで、いままでみてきたアメリカの単純な勧善懲悪ものというのは実にヒーローが精神面も超人だったのだなーとしみじみ思いました。結局過ぎた能力は人類にとって脅威でしかないという真実があぶりだされる展開です。個人的にはロールシャッハのシーンだけあればいいです。青いチンコの人がいちばん最悪。フッツーの人が神の能力を授かったらどうなるかというのがすごくよくわかるふうに描いてあります。殺すしかできない時点で神の能力でもなんでもねーし。なんかあのナルシスト超人くんじゃないけどすごい能力をもった人はどうも劇中のセリフからして「完璧」なものを好む傾向にあるようで、でも「完璧」は無と同じなんで達成されるとなんにも生み出さないんだよね。神は生み出すことができるということを考えるとまったく逆だと思うんですが。

歪んだ関係は若松さんの若いころの作品ということで、ピンク映画とはいうものの胸から下と腿から上はまったく見せない画ヅラなんで今みるとふつうのサスペンス映画にしか思えません。トークショーということで若松さんがいらしてましたが、なんかまるっこくてかわいいオヤジだった。