サンドマン(夫人からポルトガルみやげで貰った)てのんだ翌日のうんこがすごくくさくありませんか

蓄積が貧弱な人間は、そのつど外からネタを仕入れ続けないとならないし、土台がゆるい分積み重ならないから、死ぬまで自転車操業だ。

ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ

ひろぶろさんとこで出てたこわい画みてて鑑賞者に生理的嫌悪感を抱かせるっつーのはマジむずかしいんだなーとしみじみ思った。それというのも昨日郵便局に振込みにいったついでに直結してるエムピー寄ったらなんか新刊漫画の棚が増設されてまして(東大のまんまえという場所柄にも関わらず漫画売ってるとこが意外にないからそっちのが商売になるんだろうけど)、なにげに置いてあったこれを買ってよんだからなんですけど、潤二さん作品はギョとか2〜3作読んだだけですけどなんとなく富江のころからまったくブレずに一貫しててすげーなーと感心した。中心になる女の子キャラをすげーきれいに描くんですけど、それが襲う側だろうと襲われる側だろうともう見る影もないほどに醜く変形させる生理的嫌悪設定がまず基本にあって、その肉体的・精神的変形の原因はたいていがその人の抱いている情念によるものなんで、襲う側が実はもともと被害者だったふうなことをちらつかせる手法も心憎いものですが、そのうえ医師や科学者みたいなのが出てきて、襲う側の肉体の一部とかを検証してるうちによからぬ欲望がわいて金銭のために培養しはじめたり、あるいはそのつもりがなくとも研究対象とした物体が制御不能になって肉体まるごと取り込まれてしまったりする。襲う側の肉体はおもにマイナスの情念から生まれていることが多いので、それを科学で増やしたりしたらたいへんです。なにしろ人間の情念という捕らえどころのないものに最新の技術が介入することでありえないような悪夢が発生してしまうが基本で。生体怪談とでもいうような。バイオホラーってカタカナにするとSFっぽく聞こえますけど、それにしてはあまりにも情念の部分が深く根ざしててその呼び名はあまりそぐわないような気もする。怨念や憎悪といったジメジメしたイヤ〜な恐怖感と暴走した科学の無機質な気味悪さから生み出される(アキラ的な)奇形感が同居してて。潤二さん作品が仮にハリウッドで映画化されたら単純な勧善懲悪にしちゃって台無しになるだろうなあ。美人を怪物に変形させてなおかつ情念にとらわれてるみたいな恐ろしさと悲しさが同居してるとこと、そこから逃げ出せる者などひとりもいないという肝部分がわかる監督さんがアメリカにどんだけいるだろうか。ながくなりましたが今回よんだブラックパラドクスは自殺しに集まった4人のうちのひとりの肉体に異変が起こって、早い話体内の一部があの世とつながってあの世にしかないある物体がこの世に出てきてしまったことによる現実社会の変節の話なんですけど、ほかの3人にも前々から不吉な予兆がそれぞれあって、それは警告のようなものなんですけどそれに抗えずに結局全員あの世の物体を持ち出すことになるという。あの世とつながる体内の一部は各人でまったくちがってて、最初につながる人は胃と十二指腸の間の幽門という場所で開いてしまうもんだから、あの世の「物」がどんどん出てきてパンパンに膨れた腹や口から「物」があふれでてくるところがスゲーぶきみ描写。あることからそれに気づいた医師がひそかにその人の幽門の細胞を取り出して培養しつづけた結果プール1個ぶんくらいに巨大になるんですけど、その巨大幽門からあの世の世界がみえてもちろん「物」もたくさんあるんですけど、どういうわけか機械とかをいれるとボロボロに破壊されてしまう。そんなときに医師と4人のうちのひとりが痴話げんかになって、医師がわざと相手の女を巨大幽門に突き落としてしまい…てスジ。なんか潤二さん作品にしてはいままでとはちょっと毛色のちがったふうな話で少諷刺色強め(なんでもかんでも消費しつづける人間社会諷刺)。むしろ同時収録された舐め女っつう短編のが本来の潤二色が濃いめ。情念が取り憑くことに特化しすぎたあまりにもはやヒトのかたちを成しておらず、ぶきみな肉片として人々に伝染しつづけいってるみたいな気味悪い話ですよ。