スコット兄弟で客寄せするから果たし合いでもあんのかと思っちゃったじゃねーかよ

ゴーストライター(4日。ヒューマントラストシネマ渋谷)→LIFE IN A DAY(オーディトリウム渋谷)→ハンナ(新宿ピカデリー)→ピラニア3D(7日。日劇)→木を植えた男(10日。神保町シアター)とみまして、ピラニアは前半がおんなのはだか祭で、後半でそのはだかが引きちぎられます。みたあとのお客さんたち老若男女とわずみんなにこにこしやがって…正直人体がこまぎれになるとこのひとつやふたつみとかないと最悪な上司にかしづくとかマジやってられませんよね。出勤したときにまともな神経におさまっているためにはこのような映画がどうしても必要です。スジとしては酔っぱらいながら釣りしてた爺さんの落っことしたビール瓶が原因で出てきた地底湖から凶暴なピラニアがでてきちゃって人間を食い散らかすモノです。浜では運良く毎年恒例のパイオツぬらすぞ祭りが開催されてまして、主人公格の童貞青年もまざってたのしもうとしてたところに保安官の母さんから幼い弟妹の世話をまかされてガックリしてたら、なりゆきでアダルトビデオ撮影隊に穴場案内をたのまれてしまいAV女優まっぱだかで泳ぎ回る→キシャー!!→座礁→たすけてー!!みたいな展開。おっぱいが出てたと思ったら血まみれの人肉が出てくるかんじ。保安官たちが凶暴ピラニアに気づいて「陸にもどれ」つって海中でバカ騒ぎしてる連中に必死で叫んでまわってんのにまったく聞く耳もたずにナメくさって飛び込みまくるあたりとか「全員くわれちまいなさい」て観客全員が思います。後半は「ピラニアに食い荒らされた死体」て字面から想定されるあらゆる死体っぷり(四肢が食いちぎられてなくなる・肉のみ食われて下半身や顔面だけがぜんぶ骨になって救助される・負傷者を運んでる最中にもぎれちゃう・ちんこちぎれる&くわれる)がこれでもかとみせつけられます。景気のいいパイオツのだしかたから人体破壊まで、最近はフレンチ人しかみたいモノを映してくれなくなったね。アメリカンはいちいちだれかの目を怖がっちゃってツボもなんも刺激しないおとなしくつまらん画しか撮らなくなった。最後の座礁したクルーザーと保安官の母さんが乗ってきた小舟をロープでつなげて移るとこ、ひとりずつ伝ってけよ。なんかすっげえ細いロープなのに3人同時に伝ってくのはムリすぎだろ!て思いました。それでいい。
ハンナはお父さんが山中でひっそり特殊部隊的な仕込みをした遺伝子改変少女が現代社会にまぎれこんでく話ですが、お母さんの仇討ちしたいならふつうにコッソリやれるような気がすんだが。なんでハンナが下界いく際にあの早押しボタンみたいのでペポーンて仇にわざわざ存在しらせる必要があんの?だったらふつうにハンナちゃんがケイトブランシェットの寝首をかこうとして失敗して存在しられるほうが流れとしてはしぜんな気もするけど。ケイトブランシェットの冷血女っぷりは殺人兵器ハンナちゃんの相手にとって不足なしなんですけど、あのキャラ立ち対戦を撮りたいがゆえにそれ以外の設定がちょっとてきとうすぎる気がした。ぜんたい画ヅラが童話的な隠喩をむきだしにしすぎでどぎついうえ、バックミュージックもいちいち大仰でなんかいろいろ乱暴だったし。マイティソーで足りなさすぎたモノ(精神的なズレから派生する歪み)がハンナでもだいぶ不足してる。まあ童話のキャラが精神的に歪んでたら話が進みませんからね(そうゆう性質持ちは主役じゃなく主役を阻むほうになるし)。配役はバッチシなんすけどね。ブランシェットの悪い女王様ぽいとこもハンナ役のコの色白で線の細いお姫様ちっくなとこも。リアリティよりもおとぎばなし的な雰囲気を全面にだしすぎで悲しみが浅いから移入もイマイチ薄いんすよね。かなり凄惨な話のはずなのにさ。
ゴーストライターはあやしげな仕事がきたらまずググって資料は縦読みもしとけって話だった。あんなカネかけたうえ人死にをだしてまで回顧録ださなきゃだめなのかね。元大統領がピアースブロスナンでいかにも表面的にだけ大物やってるふうな性質で、その奥さんがなんやらやたらに頭のまわるふうなヒトで、まあ黒幕なんですけどこれって一種の社畜なのかな。黒幕の動機が社畜てわかるとあんまし興味もてないんだよな。絶対悪とかじゃないんよね。キレもの役をよくやる女優さんをかき集めて冷たい腹のさぐりあいをする映画をつくったらどうか。このオリビアウィリアムズさんて方とケイトブランシェットとティルダスウィントンとか。最後に全員自滅すんの。ちなみにゴーストライターはキネマジュンポーで映画をみる偉い人が絶賛してましたけど、ふつうの映画でくるぞーくるぞーみたいな溜め描写があるとかならずドガァンてビックリさすところをゴーストライターではそうゆうニオわせシーンでもなにもしないことのが多くて、監督さんはドSなのかなと思いました。ふつうは女子高生とみるや即コートを全開にしがちなんだけど、ポランスキーさんは開けるか?開けるのか?みたいにギリギリまで期待させといて結局コートは開かず鷹揚にしてるふうな(でもコートの下はちゃんと全裸)。おとなの変態。
フレデリックバックは子供番組なんかで毎日流れてたらちょうどいいんじゃないすかね。スジも平和讃歌のなんてことない人生模様のばっかだし。半分ねた身でいえたもんじゃないですけど。色鉛筆とパステル的な画ヅラでキレーはキレーなんですけど、なんも逸脱のない作品をおとなむけの見世物でやってくってのはたいへんなもんですなあ。まあおいらいったときは3分の2くらい埋まってましたけど。