フィルメックスのトー組券とれなかったー

ドジョウ食をゲテモノ呼ばわりしたらなんか夫人が激怒しはじめた上かるい口論になって国語辞典までひっぱりだされてものすごい必死に反論されましたが、単に世代間意識の相違(現60代がドジョウから連想するモノ→田んぼ&自然食のイメージ:現30代&ナイーヴな都会っ子のドジョウから連想するモノ→ヘドロまみれの腐ったドブ川)の問題だとは思うし、つーか会社勤めしてから最低2〜3回は某有名ドジョウ屋に連れてかれて喰らっている(骨までやわらくておいしいよ)のでゴチとしての抵抗はいまはぜんぜんないですけど、一般的な最近の若年〜中年世代にとってはドジョウといえばあの工業廃水の流れ込むドブ川の!?とか夏休みのつかみ取りの?!とかいうイメージが真っ先にきて「ごちそう」っていう発想自体がまずでないが大前提だよなーというところから派生したドジョウ=ゲテモノ呼ばわりだったんですけどーて正直に説明してもドジョウはゲテモノじゃないわよ!ゲテモノっていうのは蛇よ!ゲテモノってアナタだけが思いこんでるの!!!!!とかものすごい勢いでたたみかけるんで、虫食はゲテモノじゃないんすか?って聞いたら虫たべるのも夫人のなかではゲテモノの範囲にはぜんぜんはいらないらしい。ハチの子とかいなごの佃煮とかあるしなー。辞典には大衆から忌避されたマイナーなもの、みたいなことが書いてありましたけど、なんか夫人的には「ゲテモノ」という字面から連想されるマイナスイメージのものとしてドジョウ食が分類されるのがショックすぎたらしい。トシの人のいうことにはあんまり理詰めで反論とかしないほうがいいんですかね…こっちが冷静になればなるほど夫人がめちゃくちゃ興奮してきてちょっとかわいそうなような気になってきたりした。べつにいじめたりしてるわけじゃねーんだけどなー。大昔から人間が食ってきた普遍的なものってわかるんですけど、時代的には少数派のものでしょう?て言ってもちがうちがう言って聞かねえんだよな。柳川という料理がどこにでもあるからかな?

サーシャ:撮影の最初に僕はこう言ったんだ。「あなたがたふたりは、底抜けに陽気だ。それに、あなたの名前は、ロブ・ライナー(映画「スパイナル・タップ」の映画監督はロブ・ライナー)だし。何があっても、僕らは「スパイナル・タップ」と肩を並べるようなものを作るしかない。だから、すべてを受け入れてほしい。映画では、あらゆるぶざまな、みっともない姿もすべてを見せなければならない。それが、あなたがたに対する世間の紋切り型な見方を破っていくことになる。まずは、「ハッハハ。ヘヴィメタ?」なんて思っている観客たちの不意をつくところからはじめよう。そして、その人たちを誘い込もう。観客が、あなたがたヘヴィメタさんも、普通の人たちと変わらないと、家族を持ち、夢を持っている人だって解ったら、最初の数分間は笑っていた人たちだって、映画の終盤にはガッツポーズをとって、あなたがたを応援してくれるはず」。僕の言葉に、彼らはこう言ったよ。「かまわねえ。ティーバック。君を信じよう。全うしてやる」。
(中略)
―ケンカのシーンは、親友じゃないとできないケンカだったよね。みんな一度はこうした経験がある。この映画、二回見たけど、二回とも目がうるうるして、唇をプルプルさせてしまった……。
 サーシャ:感動的なのは、真実だからだ。ふたりは、見ている人に救いの手を差し伸べているんだ。「僕らは35年間も同じことを馬鹿みたいにやり続けていて、もう少しで大当たりしそうになっても、まだ、認められるまで夢を捨てていないんだぜ。でも、明日は局面を切り開けるかも」という彼らのメッセージが観客の心に届いているところがすごいんだ。そういうメールを沢山もらった。例えばある女性は、「自分の商売をあきらめようかと思っていたけど、あなたの映画を見て、あきらめてはならないと決心した」と書いてきた。僕らはあくまで自分たちや友人が気に入る映画を作ろうとしていたんだけど、結果的にこの映画は、観客を引き込む力を持っている。それは自分のやっていることを信じて疑わなかったからだ。二人はバンドの可能性を信じてやまなかったし、映画も僕も皆その可能性を信じていた。ここがポイントなんだ。だから話題になったんだと思う。』

昨日はパイレーツロック→アンヴィル(両方ギロッポンヒルズ)とみまして、上記『』内はアンヴィルのパンフの監督さん&アンヴィルメンバーのインタビューから抜粋したブツ。涙目で唇をプルプルさせながら怒る人って小学校高学年の新人女性教師以来にみましたよ!!その女性教師さんも教えるのはじめてなもんで子供からナメられていうこと聞かせられなくて、授業中に静かにさせるにもそうやって全身で熱くブチキレるしかなかったからみたいでしたけど、なんかあの子供とおとなの境目のフレッシュな熱っぽい怒りかた!!!そういえばロックバンドのボーカルってさーなんとなくこどもっぽい人多くね?キャー!!って天真爛漫に遊びまわる的な道化っつーか。対してギターとかの人がおとなしめのおとなびた性格でさーベースが無口なふうで。ドラムは気が狂ったり突然死んだりしやすい。アンヴィルのボーカルのリップスおにいさんも200万はたいた曲づくりのときにたいした理由ねーのに突然怒り出して冷静なギターのロブおにいさんにひどく当たり散らすし。やっぱこの無軌道な暴れ力があってこそのステージバカになりきれるものなのだなー。コレがねーと逆にロックバンドのボーカルはつとまらないんだろな。無軌道な暴れ力も子供っぽいカワイイ系(MR.BIGの人とか)と何しでかすかわからない凶暴系(ガンズのアクセルとかデヴィッドリーロスとか)あるけど、アンヴィルのリップスおにいさんは根が純粋でいいひとげなので前者ですな。パンフの2ページ目の監督さん解説文に、アンヴィルが全盛期だったときに若い頃の監督さんが突撃したらふつうにダチっぽく応対してくれて『あの頃のマーキーに出入りしていたケツの穴の小さいロックスターの態度とは大違いだった』(パンフより抜粋)っていうくらいだから、商売的なハッタリすらできないほどにリップスさんもロブさんも心底の善人なんだろなー。ファンの人とのふつうの会話すら遠ざけるようなナニさま的態度になりがちな人ってそういうバカなハッタリがかんたんに受け入れられるからこそ嘘八百な売り方もへいきでできる=売れてゆくことができるわけで、対して人気ものになろうと関係なくどの人とも親密にできるような度量のものすごい広い真のいいひとにはそういうことは現実的な手法としても心理的(心から欲してもいないことを欲したかのように装うのはさぞ気持ち悪いであろう)にもできない=売ってくのが困難と思うし。こういう朴訥な努力の現場を娯楽にできることを見出した監督さんはマジ偉いと思った。快挙。自殺の二文字が頭に取り憑いて離れない方はとりあえずこの映画をみてください。あきらめなかった生き様が人々の道しるべになるというガチのお手本がみられます。道の終わりに地獄しかなくてもやるんだよ!

パイレーツロックは実在した海賊ラジオ局の物語ということですが、船から発信して…ってそこは画ヅラ的な演出だろ?って思ったらリアルに船放送局だったんですな!最後のしずむとこ(その後の展開は熱くなった!!)は幕切れ的な演出だったみたいですが、それにしてもバラエティゆたかな出演者も目にたのしいし、いまではCMソングとしてお茶の間に流れてるゆるやかな歌も1960年代にはPTAが顔をしかめるヤバいアレだったんですなあ。世間的にはヤバくともヤングのみんなは枕の下にしのばせてこっそり聞いてたり、残業中の疲れた女子のなごやかなたのしみになってたり、あとは麻薬パーティーのときにも寝そべりながらみんなでラジオをたのしんだり(ものすごい牧歌的な光景)と実はかくれファンがごっそりいるようすがほほえましい。船いっこがまるまるひとつの放送局ということで朝から晩までちがうDJが各番組を受け持っていろんな音楽をかけるわけですが、この船局のオーナー兼スポンサーの金持ち風出で立ちをしたビルナイのスカしたじいさんぷりがかっこよかった。イギリス紳士の一見格式ばってて優等生風なヒトが突然ヘンな動きをする的なサービス精神はわりとスキです。イギリス系の映画パンフにはかならずと言っていいほど書いてるピーターバラカンさんも今回パイロクパンフに書いてますけど、このヒトも半分閉じてるような座った目つきをしながら不謹慎な題材のモノにクソまじめな解説を淡々と書く的な落差感スタイルだし。超クソまじめに襟を正して不謹慎をするお国柄が見に染み付いてはなれない。ビルナイの役どころにもどしますけど、このオーナーの娘さんというのがでてきて童貞でうじうじする主人公にあてがわれるわけですが、やっとヤれる!といきごみすぎた主人公がゴム借りたことが即バレしてしまい、あたしをそんな尻軽女だと思ったのね!とかプンスカされて主人公がおろおろするも実は股がとてもゆるくて…みたいなくだりはありがちですがおもしろかった。まあビルナイの娘だし。とりあえず船内では女人禁制ルールがいちおう風紀上であるんですけど、きたらきたで受け入れる方向です。ラジオで色男的な演出してるいけすかない奴はもちろんモテモテなんですけど、ルックス的に多少汚れっぽくてもラジオ番組で人気があればとりあえずモテモテなのがなんか平和だった。あそうそう、イケメンDJと同じ空間にいたいがゆえに純朴なDJをだまして結婚する悪魔女のくだりで男同士のダチ関係に亀裂がはいりかかるシーンみてだまして殺す女といいヒースクリフが狂う原因をつくったキャサリンの身勝手さ(←エミリーブロンテってロックだなー。今でいうとアンライスってとこかな?)といい、おんなというのは自重や内省をしないままで欲望のとうりに生きてるとサイコパス的になりやすい生き物なのかなー…とおんながすごくヤになった。生き様に対してなにかを手に入れるために腰を据えることをせずあれもこれもとぜんぶ欲しがってるようなおんなはたいてい悪魔だよ。パイロクにもどしますが、主人公たち海賊局を目のかたきにして犯罪者にしたてあげようとやっきになる政府のお偉方の四角四面なマジメ人間ぷりもよかったです。あの実働部隊のダベンポートって人はなんかの映画でみたような気がするんだけど思い出せない。主人公と関係のある早朝DJ担当してるもじゃもじゃの人はなんかたきもとさんぽかったなー。話したことないけど、なんとなしに。雰囲気とか。船が沈みかけてるのにのんきにこれグレイトフルデッドの新譜なんだよ!とかいって収集物にかじりついてる的なところがなんとなくああいうかんじかなーと思った。どこかはずれてるけれど知識がなにげに異常量的な。妄想は自由だろ。させろ妄想ぐらい。

ところでこの2本とも満杯で、寸前にイッたりすると最前列にすわらされたりするわよ。パイロクいちばん前でちとつらかった。アンヴィルは前から3番目くらいでもちょうどよかったけど。てゆうかあの席すごくみやすいなあ。6番劇場はあの位置がベストだ。