用件すんだらさっさと帰りたいクチ

体に入ってるモノが出雲由来ということで沖縄の頑固オヤジに言われるまま出雲大社におまいりしてみたんですが、なんせ霊感ないんで引き続きわからねえままなんですけど、ついででまわったとこがツボだったんで一応かいとく。出雲大社参拝後に食い物などをたんのうしてから熟知してるヒトに手早くまわってもらってさっさと帰ろうと思ってここいったらちょうど待機中の車があったんで「わにぶちでらにお願いしたいんですけど…」「がくえんじね。」と了解されて大社裏の山方面にむかうことに。その運転手さん(たしか林さん…だったかな)が去年まで出雲大社らへんの町内会長だったとかでやたら大社関連情報に詳しくて、聞いてもいねぇのに向かう道すがらアレコレ聞かされたうえ、目的地までの間にある変わった神社にちょろちょろ寄らされて(ベテランタク運さんの営業手法にうまいことノせられたってことなんだろうが、まあ1日ぽっちであすこらへんまわる自体がそもそもムチャだしね)結果的にわりと充実した出雲まわりになった。出雲好きには周知情報なんでしょうけど、へーえと思った件をいくつか。
(※以下日付のたぐいはちょっと不正確かもなので、マジに行く気ある方はちゃんと調べ直したほうが吉)
出雲大社の中身がいま仮のとこに置いてあるんだけど、それが本殿にもどるのは今年の5月10日の19時から(観客の場所とりは夕方あたりから)とかで、もどる最中は見物客も周辺家屋も照明を全部消さなきゃいかんらしいです。んでこのときは見物客や信者でなにしろごったがえすし、テレビの撮影隊なんかもくるらしいんですけど、撮影OKなのは暗視カメラ限定で、その撮影位置も厳密に決められていてそこ以外で撮影したりすんのは厳禁なんだそう。本殿もどる最中に明かりが点いてると、本殿へ移動中のナニかがそっちへ行っちゃうからですかね?て聞いたら、ただ単に神様が姿をみられたくないんだと思う、と運転手さん談
・旧暦の10月10日、日本各地にいる神様が出雲に集結するのでいなくなるところは神無月といい、出雲では神在月(カミアリヅキ)という。今年の出雲集結日は11月12日。各地の神様は海から出雲へやってくるそうで、船にのってやってくるんですか?て聞いたら、たぶん龍とかヘビに乗ってくるんじゃないかな…と運転手さん談。到着するところは稲佐の浜という白い砂浜で、その浜のちかくにある上の宮という神社で会議をしたのち出雲大社に宿泊するんだそう。神在月にはたくさんの観光客がくるらしいんですけど、そんときの正しいコースは稲佐の浜→上の宮→出雲大社なんだとか。その日の稲佐の浜は夕方から場所取りで混み合うとかで、神様到着時の19時頃(遷宮といいなんでこの時間なのかな)には神主さんからなんかいろいろ渡されて見物客も含めてそこにいる全員でお迎えするんだとか。ひっこしのときもだけど、もう数日前から宿とか全然とれなくなるらしいよ。稲佐の浜も上の宮もなぜかなんも言ってねぇのに寄らされたけど、上の宮にある説明板の記述で御祭神が「スサノオ八百万の神」とかなってて、要するに「スサノオと神ぜんぶ」てことですかね。やたらざっくりしてるな。ちいさめでこぎれいなとこでしたけど。ここにぜんぶ入るのか?て思わずにいれなかった。ぜんぶ乗せ神社と呼ぶことにする。
天照大神といえば伊勢神宮だけど、それは日が昇った昼の世界のほうで、日没後の夜の世界のほうが日御碕神社のほうなんだそう(両方を支配しているという意味)。なので天照さんの正しい参拝コースは伊勢神宮→日御碕神社なのだと運転手さん談。ここも寄らされたけど、きれいでいいところでしたよ。場所のせいか参拝客は地元のヒトがまばらにいる程度で閑散としたかんじでしたけど。出雲大社はあんなに賑わってるのにな。もったいない。ここ、境内に小さい社がいろいろあるし、なんかさわやかでイイところ。周辺は海のすぐそばで、海水浴にちょうどいいみたい。旅館もわりとあるけど、最近できた個室ごとに温泉が付いてるちょっと高級な旅館がおススメとのこと。
・出雲には松があちこちに生えてるんですけど、ほとんどが枯れていて、それは松くい虫駆除のための農薬散布が地元のNPO生活保護団体(と運転手さんは言ってた)の圧力によって強制的に止めさせられたことが原因で、なんで止めさせてきたかというと以前に農薬散布したら外出してた子供たちが目の異常を訴えてきたことがあったからとかで、おそらく人体に配慮して散布をやめさせたんだろうけど、その結果出雲にある松のほとんど全部に松くい虫が入り込んでほぼ枯れてるらしい。や…つーかさ、農薬散布の日は外出禁止にすればいいことじゃないの…。なんなの出雲の生活保護団体てやつは。バカなの?松が枯れまくってんのその団体の責任じゃんよ。んで運転手さんが言うにはいちど虫に入られた松の木はもう手の施しようがないらしくて、切るしかないそうなんですが、それには費用がかかりすぎて手がつけられず放置状態なんだそう。尚、松くい虫は松の木だけをこのむそうで、杉の木は元気です。
・運転手さんは釣り好きだそうで、今の時期は寒ブリが最高とのことです。あと出雲の海苔(海藻ぽいやつ)は高級でやたらとるとつかまるらしい
以上がタク運さんから聞いた件の大部分。んで目的地の鰐淵寺ですけど(周辺は「わにぶち町」と読むそうで、お寺だけが「がくえんじ」読み)、予想とは外れる形でツボってたいへんよかった。インターネッツでみたところ正月7日間は密行とのことで生死に関わるレベルにアヤしげなもんでもみれんのかと思ってちょっと期待してたんだが、坊さんどころか参拝客もほぼおらずひっそりしずかだった。てっきり四歓喜に達した坊さんがそこらへんにころがってたりすんのかと思ってたのに。問題の鰐淵寺ですけど、デカい寺がガーンとあるんじゃなく(てっぺんにあるにはあるんだけども)、本殿へむかう階段のぼってく中途脇それぞれにちいさめの庭的な空間があって、そこがなんか…すごく癒される。ちまちま寄り道してはぼんやりするのにちょうどいい。しかもそこの中途庭ぽいとこ、べつだん整ってるとかではないんですよ。歩きやすいようにはなってるんですけど、なんというか…タルコフスキーのストーカーとかノスタルジアみたいな廃墟系の安心感というのかな。石段やあちこちにあるお地蔵さんも古びてひび割れたかんじだし、いくつかあるお社が木造で、それもなんか朽ちたかんじ(お寺のヒトも常駐してるんで管理はしてるとは思うんですけど)のビジュアルで全体的にこう…廃墟的な安心感に満ちてるふうな。それとうれしいのが段脇にある庭ぽいとこ、ぜんぶの地面にびっしり小さいシダというのかな。そういうかんじのが生え揃っててあるくたんびにモフモフすんの。アレをあじわうためにまた行きたい。季節的な関係(すこしだけ雪のこってた)で土がベチャッとなるとこはあったし、ぜんたいに湿ってたのでアレなんですけど、ここは芽吹く時期とか紅葉のころにくるともっと癒され空間になるんだろうなー…と思わずにいれなかった。観光客くるのはたいていそのテの時期なんだが、おいらとしては木々が丸坊主で注目されづらいこの時期にこれて逆によかった気がする。ほぼだれもいない(参拝客はおいらの前後に中年のご夫婦が3組いただけだった。たぶん地元の方なんだろな)とこで好き勝手ぼんやりできたので。かえるときに受付のご夫婦さんからお茶をいただきながらちょろっとお話をうかがいましたけど、このお寺にきた外人さんが「見てきれいなところは世界どこにでもあるけど、いつまでも居たくなるところはここがはじめてだ」とよろこぶらしい。そのテのおちつく観光場所つーのは実はあんましないのかもね。つくろうとしてできるわけでもないだろうし。受付の方いわく、ここのお寺はぼんやりするのにいいんだそう。思考の場なんだとかなんとか。くわしくはしらん。てっぺんの本殿もよいのですけど、本殿向かって左手に摩陀羅という神様を祀ってる社と、その奥にきつねさんを祀ってる社があるんですけど、たしか摩陀羅神のとこだったかな…?そこお参りしたあと本殿のほうへ向かう途中にあしもとに目をやったらお腹のちょうど前あたりにビー玉大の羽虫的なもんがパタパタしてたふうだったんすけど、パッと消えてしまったな。あれなんだったんだろう。あときつねさんとこお参りしたあと、社に背中むけてぼんやりしてたら背中のほうでクルルルーといううなり声みたいのが聞こえて、ちょっと怒られたんだろうか。たぶん怒られた。んでこのお寺は本当は徒歩15分くらいある道を自力でこないといけなかったらしいんですけど、わしに滞在時間があまりないことを気づかってくれた運転手さんがそこの道すっとばして木造の門の前までタクで乗り付けてくれた。すまなかった。時間があれば行き帰りこの道程は徒歩でいくのがおすすめ。帰りはちゃんとこの道を徒歩で下りましたよ。この道すがらにもお地蔵さんや仏様が置いてあるんよ。ほんとあちこちにある。脇にきれいな小川もあって。夏場くると涼しくていいだろうな。ここいったあとにタク運さんイチオシのキツい神社に案内されたんですけど、なんか?スサノオが製鉄技術をもたらした件と関わってるとことかで、韓竃神社(からかまじんじゃ、地元のヒトは「かんかま」と言う)というとこなんですけど、一応石段的なもんはあるんですが、ほぼ崖というか、ゴツゴツした急斜面の岩肌を登らねば社にたどりつけないとゆうエクストリーム神社だった。おいらいつものボロのドタ靴(この10年前に廃版にしたやつ再販してくださいよアサヒシューズさん!コレじゃないとだめなんだよ!)だからのぼれたけど、これちょっとでもヒールついたオサレ靴なんかで登ったら確実に骨折か悪くするとふつうにしぬと思う。のぼるときはぜったいに縄から手を離さないでくださいね!て念を押したのち岩肌前にわしをかるく放置するタク運さん。まあのぼりましたけど…あしもとの岩は苔むしてるし湿ってるし、着込んでコレだったので下山後は汗かいてましたよ。ここ、いくつもりなら登山用の靴はいてくるといいよ。のぼりはわりとサクサクいけたけど、くだりの怖ぇことなんの。マジで1歩まちがうと落ちると思う。それだけならまだしも、あすこって社のすぐ手前に巨大な岩が立ちふさがってて、その岩と岩の隙間をくぐっていかなきゃ社にたどりつけないんよね。着込んだおいらですらちょっと行けるかコレ…?てかんじだったんで、もっとデブはちょっとどうなんだろうな。通り抜けられんかもしらん。高所恐怖症と閉所恐怖症には地獄のような神社だ。あんな崖の上にタタラ技術の神(つーかスサノオか)…?よくわからんな。どうしてあすこにあるんだろうか。技術を盗まれないようにするためとかかな。そもそもあすこの神主さんがいつもアレをのぼってるのかよ。どんな猛者。タク運さんのお話ではどっかと兼務してるヒトがやってるとゆうことですけど。すげえな。
出雲大社後に寄ったのはここ(2階の座敷広くていいすねえ)で、天ぷらが食べたかったんで縁結びセットたのんだらおみくじ引かされた。初よかったです。升酒(八千矛ウマー)お供で蕎麦にも天ぷらにもピッタシだった。ここで買った原酒を会長向けのおみやげに、あとそこの向かいにあるここの小さい苺大福がさわやかでおいしかった。あれ散策しながらたべるのにおススメ。ところで大社周辺てワイナリーはあるのに、杜氏とかはないのね。古川酒造も閑散としてあんまし営業する気もなさげなかんじでひっそりしてたし。大社ちかくだからこそ出雲産の日本酒を取り揃えたお店とかあればいいのに。なんであんましないのかねえ。王禄とか売っててほしいわ。
 
帰宅後翌日に筋肉痛と疲労に襲われました。ひさしぶりだった。