2011-01-01から1年間の記事一覧
森と芸術(5月29日。庭園美術館)は木や森が描かれてる西洋の絵画や挿絵を寄せ集めた展で、特におとぎばなしの挿絵なんか描かれてないもんを探すほうがむずかしいホドに木がかならず画面中におさまっている。展示のしょっぱなには大自然のなかで丸裸で暮らして…
『カナダの冬は長い。雪と氷に閉ざされ、みな暖かい家の中でぬくぬくと過ごす。長い夜を過ごす相手はテレビ。そしてセックスである。清潔で理知的なカナダ人たちは温室の中で静かに狂っていく。実験室の中でスープが煮詰まっていくかのように。そこはビデオ…
悪の華(8日。イメージフォーラム)は何代か前からどうも殺しに関わってしまう一族の話で、出るキャラ全員が複雑な血縁の間柄なんですけど、これが日本の映画なら怨念だの呪いだのでおどろおどろしい雰囲気になりがちなんですが、シャブロル映画ではキャラたち…
ブラックスワン(5日。ヒューマントラストシネマ渋谷)→最後の賭け(イメージフォーラム)→ドリームホーム(シアターN)→ソリタリーマン(えぬ)→アイスピットオンユアグレイブ(えぬ)で、ブラックスワンは母親に溺愛されて育ったバレエダンサーの箱入り娘(ナタリーポ…
甘い罠(28日。イメージフォーラム)→森と芸術(29日。庭園美術館)→アジャストメント(シネマサンシャイン)→ソーシャルネットワーク(真文芸坐)→佐藤晃一ポスター(30日。ギンザグラフィックギャラリー)とみてきまして、佐藤晃一ポスターは画面の中央にどん、とひ…
レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー公開直前!〜日本とアイスランドでシーシェパードにパンチ!パンチ!パンチ!(31日。阿佐ヶ谷ロフト)はレイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカーとゆう映画に出演している裕木奈江さんから現場の…
ゲンスブールとおんなたちは音楽・文学的才能豊かな男が仕事で関わったイイおんなとの情愛をたんのうしつつ作品づくりに邁進してく人生模様を描いた実録おとぎばなし風の作品ですが、単なる天才イチャイチャ映画だと踏んづけたいですけど、ゲンスブールさん…
『差別されることは、創造の一つのバネたりうる、といいかえてもよい。こうした言い方は、一見奇聞に聞こえるかもしれない。しかし、排除されるものに冠される言葉こそ、言葉の多義性を可能な限りもっており、排除するその排他力に排除されるものの世界がこ…
『隠されていた事実の種明かしをこれみよがしに披露するミステリは少なくない。本作が一般のミステリ映画と比べすぐれているのは、前述したようにいくつもの謎が少しずつ解かれていく過程が意外性をはらみながらも、説得力に富んでいるためいわゆる騙し討ち…
ひとむかし前は食うにこまるほどカネがない青年とか、転売(=カネ目当て)目的でやる輩が多かったらしいけど、おいらがみた万引きする人は金持ちの坊ちゃんタイプの中年男ばかりだった。みるからに高そうな服や鞄を持った「いい身なり」をして他者からの評判…
4月の涙→パーフェクトホスト 悪夢の晩餐会(8日。両方シネパトス)→ヘンリーダーガー展(さっき。ラホーレミュージアム原宿)とみてきまして、ダーガー展は絵もさることながら展会場の最初のほうに並べて展示されてたダーガーの生涯について説明した文がすごく…
生誕100年 岡本太郎展(国立近代美術館)さっきみてきましたが、太郎が絵画を描く際に多用する形状で、どっちが発生源なのかはわからんけど、1カ所からニュッとでてきたふうなありさまのモノがあって、先っぽが広がったりなんらかの形におさまらない場合は発…
スコットピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団(2日。シネマライズ)→ミスターノーバディ(ヒューマントラストシネマ渋谷)→包む 日本の伝統パッケージ(3日。目黒区美術館)→芸術写真の精華―日本のピクトリアリズム→ベッティナランス写真展 女神たちの楽園(東京都写真美…
ブルーバレンタイン(29日。しね)→イヴ・サンローラン(ヒューマントラストシネマ有楽町)→ガリバー旅行記(日劇)とみまして、ブルーバレンタインは付き合ってる最中〜結婚したてのころはラブラブだったカッポーがいっしょに生活するうちに険悪になって離婚する…
イリュージョニスト(23日。ぎろっぽんヒルズ)→メアリー&マックス(24日。武蔵野館)→エンジェルウォーズ(新宿ミラノ)→孫文の義士団(シネマスクエアとうきゅう)→ザ・ライト(27日。丸の内ルーブル)とみまして、ザ・ライトはてっとりばやく街を出るためにかるい…
生きる上での絶望や残酷さを描くことこそが人間讃歌である件よみながら思いましたけど、絶望は人生の本質なのに、民放テレビは「視聴者がショックを受けたり不快な思いをするから」などと言ってその本質をみせようとしない。情報を得るに際してテレビ番組が…
『そもそもの原因は一九六〇年代の終わりにあるとわたしは睨んでいる。高校生の政治活動がどんどん激化して、あちこちの高校で卒業式が中断されたり、バリケード封鎖がなされていった時期のことだ。当時の文部省は、未成年者による政治活動を徹底的に制限し…
・「原発撤廃したいから今後は自販機とかの電力くうもんは見直しましょう」ていうならまだわかるんですけど原発推進前提で自販機とパチ屋だけを悪者扱いするってのが意味がわかんね。自分の原発推進思想を押し進めるための隠れ蓑にしてるとしか思えないんで…
『わたしの母は、はた目には正常な人間だった。スモーキーと暮らしていたときの、フリンジの付いたレザーにヨーク仕立てのウェスタン・シャツを着て、皿ほどもあるバックルにトルコ石をはめ込んだベルトを締めて笑顔を振りまいていたころと違い、わたしの父…
説得できなかった。実家でも会社でもおいらより年上の人は全員慎太郎票だった。これが現時点での日本の「大多数」の考えなのだろう。おいらは石原慎太郎以外の立候補者に票をいれたけれども、それは本来的な「投票」ではない―票を投じた相手を支持しているわ…
『「もう一つの世界」は、グランヴィルの幻想世界が具現化された作品と言ってよい。食べ物が空から降ってきたり、擬人化された惑星が旅をしたり、奇想天外な想像が展開している。グランヴィルは後世のあらゆるジャンルのアーティストに影響を与えているが、…
トゥルーグリット(27日。シネリーブル)→ザ・ファイター(池袋東急)→コリン(ヒューマントラストシネマ渋谷)→ファンタスティックMr.FOX(シネスイッチ銀座)。ザ・ファイターは血縁者たちの過剰な干渉が原因で負け続きのボクサーが、彼女ができたことを境に一念発…
アメイジンググレイス(20日。テアトルシネマ)→神々と男たち(シネスイッチ)→月の輝く夜に(21日。ギロッポンヒルズ)→冷たい熱帯魚(テアトル新宿)とみまして、アメイジンググレイスは黒人奴隷の貿易廃止に尽力した実在の政治家の話ですけど、この政治家の願いが…
『女の子が一瞬にして炎と化し、魔女の「やあれ、あかるいことあかるいこと!」の独白で終わるのはあんまりだと感じられる。もう少しなんとかならないものかと思ってしまう。 しかしながら、昔話ではなく現実の事件を考えてみよう。ふとした好奇心から見知ら…
小谷元彦展 幽体の知覚(26日。森美術館)→サンゲリア(27日。ヒューマントラストシネマ渋谷)→シリアスマン→アンチクライスト(シアターN)で、小谷元彦のは人間が人間以外の生き物を欲望どうりに変形させる有様を字ヅラどうりに立体化したようなSFちっくな作品も…
『ジャーナリズムが呪文のようにとなえる「客観性」というものをハンターは鼻くそみたいに思っていたに違いない。客観性も公平性もそこになかった。ただ己の心情を、取材対象、対象者の懐深く潜りこみながら吐き出した。まるで若いロックンローラーがその怒…
ウォールストリート(14日。日劇)→リセット(15日。シアターN)→SUCK(えぬ)→版画2人展 なかむらじん 正成美雪(さっき。えすぱすミラボオ)で展はぜんぜんちがう個性のお二方の作品展で、なかむらさんは大正時代あたりのマッチ箱とかの商品パッケージに使われて…
RED(11日。丸ピカ)→愛する人(しね)とみまして、愛する人は10代はじめに生んだ子と引き離されて以来心を閉ざしたまま生きる中年女性(アネットベニング)と、その引き離された子供(ナオミワッツ)と、望まぬ妊娠をした少女の子を養子にもらおうとしている若夫婦…
昨日はイップ・マン 葉問(新宿武蔵野館)→グリーンホーネット(新宿ミラノ)→ブローンアパート(シネパトす)とみまして、イップマンは詠春拳という中国拳法を極めた実在の方の在りし日の姿を映画化したものだそうで、この作品のどこらへんまでが真実なのかをパン…
カンディンスキーと青騎士展(21日。三菱一号館)→完全なる報復(23日。みゆき座)→デッドクリフ(シネパトす)とみまして、かんじんスキーさんはなんか抽象画のヒトとして有名だそうですが、描きはじめた頃は誰にでもわかる風景画なんかを描いてたんですけど、じ…